“楠氏”の読み方と例文
読み方割合
なんし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然るに答える者はなく、駈け出して来る兵もなく、楠氏なんしの陣営には、きすてられたかがりが、余燼よじんを上げているばかりであった。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
蒲生君平高山彦九郎のはいをして皇室の衰頽を歎ぜしめ勤王の大義を天下に唱えしむるにおいて最も力ありしものは嗚呼ああれ忠臣楠氏なんしの事跡にあらずして何ぞや
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
しかれども其の意を立て材を排する所以ゆえんを考うるに、楠氏なんし孤女こじょりて、南朝のために気を吐かんとする、おのずかられ一大文章たらずんばまざるものあるをば推知するに足るあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)