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ふるだぬき
ふりがな文庫
“
古狸
(
ふるだぬき
)” の例文
この
老婆
(
ろうば
)
は以前は
大塚
(
おおつか
)
の
坂下町辺
(
さかしたまちへん
)
、その前は
根岸
(
ねぎし
)
、または
高輪
(
たかなわ
)
あたりで、度々
私娼媒介
(
ししょうばいかい
)
の
廉
(
かど
)
で検挙せられたこの仲間の
古狸
(
ふるだぬき
)
である。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
喉
(
のど
)
を痛めるぞ、ばかな
古狸
(
ふるだぬき
)
めが。気の毒だが、大声を出したってだめだ。まったく、
雷鳴
(
かみなり
)
とは聞こえないや、
咳
(
せき
)
くらいにしか思われない。」
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
およそ古今武将の中で、
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
という
古狸
(
ふるだぬき
)
位、銭勘定の高い
奴
(
やつ
)
は無いとじゃった。欲ばかり突張っていたその為に、天下も金で取ったようなもの。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
一万円の身代金はとられる、娘は返して貰えないというのでは、
流石
(
さすが
)
実業界では
古狸
(
ふるだぬき
)
とまで云われている策士の伯父も、手のつけ様がないのでしょう。
黒手組
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
どうして食つたと云ふのですか? それは
狸
(
たぬき
)
の
悪企
(
わるだく
)
みです。婆さんを殺した
古狸
(
ふるだぬき
)
はその婆さんに
化
(
ば
)
けた上狸の肉を食はせる代りに婆さんの肉を食はせたのです。
教訓談
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
第四種(鳥獣編)妖鳥、怪獣、魚虫、火鳥、雷獣、
老狐
(
ろうこ
)
、
九尾狐
(
きゅうびのきつね
)
、
白狐
(
びゃっこ
)
、
古狸
(
ふるだぬき
)
、
腹鼓
(
はらつづみ
)
、
妖獺
(
ようだつ
)
、
猫又
(
ねこまた
)
、
天狗
(
てんぐ
)
妖怪学講義:02 緒言
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
私
(
わたくし
)
など
古狸
(
ふるだぬき
)
の身なればとかくつくろひて一日二日と過し候へ共、筋のなきわからずやを
仰
(
おほ
)
せいだされ、足もとから鳥の立つやうにお
急
(
せ
)
きたてなさるには
大
(
おほ
)
閉口に候
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あんまりはっきりした話なので、さすがの
古狸
(
ふるだぬき
)
のテイイ事務長も、かんたんな返事しかいえなかった。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
汝
(
なんじ
)
は、汝個人のおそろしさ、怪奇、
悪辣
(
あくらつ
)
、
古狸
(
ふるだぬき
)
性、
妖婆
(
ようば
)
性を知れ! などと、さまざまの言葉が胸中に去来したのですが、自分は、ただ顔の汗をハンケチで拭いて
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
付れども主税之助は
兎角
(
とかく
)
安心せず
否々
(
いや/\
)
然
(
さ
)
う手輕く申せども内記殿の心中が
何
(
どう
)
も心配なれば公事の
始末
(
しまつ
)
を話して見よ
佐
(
すけ
)
十郎郷右衞門の兩人へ惣右衞門と云ふ
古狸
(
ふるだぬき
)
が
後見
(
こうけん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「なにも信心気でやるわけじゃねえ。いわば
勤気
(
つとめぎ
)
よ。お前さんにしろおれにしろ、吉原じゃあ
古狸
(
ふるだぬき
)
だ。ところで、お前さんに頼みというよりは、清坊に頼みがあるんだが」
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
茸爺
(
きのこぢゞい
)
、
茸媼
(
きのこばゞ
)
とも
名
(
な
)
づくべき
茸狩
(
きのこが
)
りの
古狸
(
ふるだぬき
)
。
町内
(
ちやうない
)
に
一人
(
ひとり
)
位
(
ぐらゐ
)
づゝ
必
(
かなら
)
ずあり。
山入
(
やまいり
)
の
先達
(
せんだつ
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『何だ
古狸
(
ふるだぬき
)
!』
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
わしがこれでも
古狸
(
ふるだぬき
)
であることを、お前は知らなかったんだ。どうだね。腹が立つかね。
祖父
(
おじい
)
さんを少しばかにしてやろうなどと思っても、そうはいかないさ。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
前学年に及第できなくて原級に
留
(
とどま
)
った所謂
古狸
(
ふるだぬき
)
の連中の話に拠れば、藤野先生は服装に
無頓着
(
むとんじゃく
)
で、ネクタイをするのを忘れて学校へ出て来られる事がしばしばあり、また冬は
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
次第
(
しだい
)
に
短氣
(
たんき
)
のまさりて
我意
(
わがまゝ
)
つよく、これ一つは
年
(
とし
)
の
故
(
せい
)
には
御座
(
ござ
)
候はんなれど、
隨分
(
ずいぶん
)
あたりの
者
(
もの
)
御
(
ご
)
機
(
き
)
げんの
取
(
と
)
りにくゝ、
大心配
(
おほしんぱい
)
を
致
(
いた
)
すよし、
私
(
わたくし
)
など
古狸
(
ふるだぬき
)
の
身
(
み
)
なれば
兎角
(
とかく
)
つくろひて一日二日と
過
(
すご
)
し候へ
共
(
ども
)
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見たでしょう。ああ、市長の
古狸
(
ふるだぬき
)
め、私を
嚇
(
おど
)
かしにきたんでしょうが、だれがお前さんをこわがるものかね。私はジャヴェルの旦那がこわい。親切なジャヴェルの旦那がこわいのさ!
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
お前さんは新参だが、私は
古狸
(
ふるだぬき
)
だ。何もかもよく承知してるよ。うまいことを教えてやろう。ただこれだけはどうにもならない、日が入りかかってることだけは。向こうの丸屋根に落ちかかってる。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「いけねえ、
古狸
(
ふるだぬき
)
め、
俺
(
おれ
)
たちが先だ。」
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
狸
漢検準1級
部首:⽝
10画
“古狸”で始まる語句
古狸奴