わけ)” の例文
「だから、世間じゃ言ってますよ。——江戸中の御用聞、わけても捕物の名人と言われた平次親分が、お島に目をつけないのは可怪おかしい——って」
わけ、臣、連、伴造、國造、村主の保てる部曲の民と謂ふ樣なものが全國に充ち滿ちて、朝廷の官吏とも謂ふべき者の治める土地は至つて尠なかつた。
聖徳太子 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
すべて供𢌞りの徒士かちの者共風俗がさつに候、中間共も異風に取拵とりこしらへ候者共多相見えわけてがさつに有之候。
凡愚姐御考 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
示して十をさとるの敏才びんさいあれば師匠ししやうの感應院もすゑ頼母たのもしく思ひわけて大事に教へやしなひけるされば寶澤は十一歳の頃は他人の十六七歳程の智慧ちゑありて手習は勿論もちろん素讀そどくにも達し何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
予はわけて草餅を好むを以て日々の喰料とせり。亦久しく貯えて長く用ゆるには、煮て干し上げて貯うる時は、何日いつも草餅を喰せんと欲する時に臨んで草餅と為す事を得るなり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
他の七十七王は悉く諸國の國のみやつこわけ稻置いなき縣主あがたぬし等としてお分け遊ばされました。
わずかばかりの金をわけてもらって、その日その日を何もせずに暮しているのであった。昼でも彼はねころんでいる。いつ行って見ても彼はごろりと臥ろんで何かむしゃむしゃと食べていた。
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
蘭房別占四時春 蘭房らんぼうわけても四時しじの春
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
取寄とりよせ芝居者しばゐもの淨瑠璃語じやうるりかた三絃彈さみせんひきなど入込いりこま皆々みな/\得意とくいの藝をあらはたはぶきようじけり茲にまた杉森すぎのもり新道しんみち孫右衞門店まごゑもんたな横山玄柳よこやまげんりういふ按摩あんまあり是はわけて白子屋へ入浸いりひた何樣なにさま白子屋一けん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それよりほか七十七王ななまりななはしらのみこは、悉に國國の國の造、またわけ稻置いなぎ縣主あがたぬしに別け賜ひき。
盡し難くわけて神田は土地柄とちがらとて人の心も廣小路ひろこうぢ横筋違いの僻みなきすぐなる橋の名の如く昌平しやうへいの御代なれやいらかならべし軒續き客足絶ぬ店先みせさきは津國屋松右衞門とて小間物を商ひ相應さうおう活計くらし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
このミマツ彦カヱシネの命は天下をお治めなさいました。次にタギシ彦の命は、血沼ちぬわけ多遲麻たじまの竹の別・葦井あしい稻置いなきの祖先です。天皇は御年四十五歳、御陵は畝傍山のマナゴ谷の上にあります。