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入浸
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いりびた
ふりがな文庫
“
入浸
(
いりびた
)” の例文
本に
両為
(
りようだめ
)
で御座んすほどにと
戯言
(
じようだん
)
まじり何時となく心安く、お京さんお京さんとて
入浸
(
いりびた
)
るを職人ども
翻弄
(
からかひ
)
ては帯屋の大将のあちらこちら
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「師匠のところ——親分も御存じでせう、お舟さんのところへ
入浸
(
いりびた
)
つてゐる頃は、伊丹屋の若旦那がよく此處へ見えましたよ」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ああ何時も何時も、あちらにばかり
入浸
(
いりびた
)
っているのを、私という老人もいながら、放っとくわけにもいくまいではないか。」
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
その頃の書生は今の青年がオペラやキネマへ
入浸
(
いりびた
)
ると同様に盛んに
寄席
(
よせ
)
へ
通
(
かよ
)
ったもので、寄席芸人の
物真似
(
ものまね
)
は書生の課外レスンの一つであった。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
その女というのが、美人の本場の越後から流れて来たとやらで、島ちゃんの旦那は
碌素法
(
ろくすっぽう
)
工場へ顔出しもしないで、そこへばかり
入浸
(
いりびた
)
っていたんだって。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
結局がんりきがお角の前に
謝罪
(
あやま
)
って、やっとその場を済ませたけれど、それからお角はがんりきの家に
入浸
(
いりびた
)
りで、その傍に附きっきりということになってしまいました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
玄関
(
げんくわん
)
の
式台
(
しきだい
)
へ戸板に載せて
舁
(
かつ
)
ぎ込まれたのは、薩州の陣所へ
入浸
(
いりびた
)
つて半年も帰つて来ぬ朗然和上が、法衣を着た儘三条の
大橋
(
おほはし
)
で
会津方
(
あひづがた
)
の浪士に一刀眉間を遣られた
負傷
(
ておひ
)
の姿であつた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
存ぜざる段
不埓
(
ふらち
)
なり
猶
(
なほ
)
外
(
ほか
)
に何ぞ心當りの事は
之無
(
これなき
)
やと申されければ庄三郎何も是と申す程の儀御座なく候へども
髮結
(
かみゆひ
)
清三郎と申す者
常々
(
つね/″\
)
入浸
(
いりびた
)
り居しは心得難く候と申立るに大岡殿
同心
(
どうしん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
なかにも沼波瓊音氏は家族を挙げて、その
女神様
(
をんなかみさま
)
の
許
(
もと
)
に
入浸
(
いりびた
)
りになつてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼女が私を引っぱり出してこんな事をして遊びまわるのは、叔父の待合に
入浸
(
いりびた
)
っているか、又は旅行している間に限っていたので、公園前の自宅に私を引っぱり込むような事は絶対にしなかった。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ほんに
兩爲
(
りやうだめ
)
で
御座
(
ござ
)
んすほどにと
戯言
(
じようだん
)
まじり
何時
(
いつ
)
となく
心安
(
こゝろやす
)
く、お
京
(
きやう
)
さんお
京
(
きやう
)
さんとて
入浸
(
いりびた
)
るを
職人
(
しよくにん
)
ども
挑發
(
からかひ
)
ては
帶屋
(
おびや
)
の
大將
(
たいしやう
)
のあちらこちら
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
可愛いい
甥
(
をひ
)
の八五郎が、十手も捕繩も投り出して、近所の浪人者のところに
入浸
(
いりびた
)
つてゐるのが氣に入らなかつたのです。
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
おとらが
内々
(
ないない
)
お島の婿にしようと企てているらしい或若い男の兄が、その頃おとらのところへ
入浸
(
いりびた
)
っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「お為ごかしを言っておいて、お前はこのお邸のお部屋様のところへでも
入浸
(
いりびた
)
るんだろう」
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
処で
俺
(
おら
)
の旦那がお世辞半分に新聞記者の天職を
壮
(
さか
)
んなりと褒めて娘も新聞記者に
嫁
(
や
)
る
意
(
つもり
)
だと
戯謔面
(
からかひづら
)
に
煽動
(
おだ
)
てたから、先生グツト乗気になつて早や
聟
(
むこ
)
君に
成済
(
なりすま
)
したやうな気で毎日
入浸
(
いりびた
)
つてゐる。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
隱
(
かく
)
し居たりける然るに其頃芝明神前に
藤重
(
ふぢしげ
)
と云る
淨瑠璃語
(
じやうるりかた
)
りの女有しが
容貌
(
かほかたち
)
衆人に
勝
(
すぐ
)
れ心
優
(
やさ
)
しき者なる故
弟子
(
でし
)
も多く
日々
(
ひゞ
)
稽古
(
けいこ
)
の
絶
(
たゆ
)
る隙なく繁昌しける此所へ吾助は
不※
(
ふと
)
稽古せんものと
這入込
(
はひりこみ
)
たるが
好色者
(
かうしよくもの
)
の
癖
(
くせ
)
なれば
藤重
(
ふぢしげ
)
が
嬋娟
(
あてやか
)
なる姿に
迷
(
まよ
)
ひ夫よりは稽古に事
寄
(
よ
)
せ日夜
入浸
(
いりびた
)
りに行きけるが
流石
(
さすが
)
に云
寄便
(
よるたよ
)
りもなく
空敷
(
むなしく
)
月日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一月二月
(
ひとつきふたつき
)
小野田の住込んでいた
店
(
たな
)
では、毎日のように
入浸
(
いりびた
)
っていたお島は、平和の
攪乱者
(
こうらんしゃ
)
か何ぞのように
忌嫌
(
いみきら
)
われ、不謹慎な口の利き方や、
遣
(
やり
)
っぱなしな日常生活の
不検束
(
ふしだら
)
さが
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「いけませんよ。
入浸
(
いりびた
)
りになっちゃ困りますよ。」
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
浸
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
“入”で始まる語句
入
入用
入口
入牢
入来
入水
入込
入交
入日
入相