仰天ぎやうてん)” の例文
致せと云ながら直樣すぐさま自宅に立歸りお花が部屋に這入はひればお花はハツト仰天ぎやうてんして友次郎を夜着よぎの中に手早くかくそばに有し友次郎が脇差わきざし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
平次はこの時ほど仰天ぎやうてんしたことはありません。それから笹野新三郎の役宅に飛込んで行つて、一ときばかり密談をすると、何氣ない樣子をして、清次郎を呼出させました。
これはなんとせしことれるやうな新紙幣あたらしきをばかり、其數そのかずおよそ二十もかさねてうへに一つうらうるより仰天ぎやうてんおもひにりて、むね大波おほなみごとく、さてこそ子細わけありけれとくるふて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さと言葉ことばらぬも、こひにはをんなさかしうして、そでたもとおほひしが、月日つきひつまゝ、つるはさすがにとしこうおのかしらいろふ、むすめちゝいろづきけるに、總毛そうげふるつて仰天ぎやうてんし、あまね掻搜かきさがして
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼女はまるで幽靈でも見たやうに仰天ぎやうてんした。私は彼女を押ししづめた。
御持參有しに間違まちがひも有まじと思ひ右品引換ひきかへに金子御渡し申したりとくしして見せければ傳吉は再び仰天ぎやうてんなしたりしが心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
主人の金兵衞もさすがに仰天ぎやうてんした樣子です。
取調べられ三次が白状のおもむきを申聞らるゝに長庵心中に是はと仰天ぎやうてんなせしかども急度きつとはらこれとても更に知らずとの申立によりて又もや三次を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)