仕舞しまう)” の例文
何処どこにドウなったか、二重に金を払たことがある。亜米利加アメリカ人が取るけはない、何処どこかに舞込まいこんで仕舞しまうたにちがいない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
悲しいと言へば商賣がらを嫌ふかと一ト口に言はれて仕舞しまう、ゑゝ何うなりとも勝手になれ、勝手になれ、私には以上考へたとて私の身の行き方は分らぬなれば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
業平橋にいる文治と云う奴が来て、突然いきなりに私を打って、打殺して仕舞しまうんだが助けてやるからうちけえって亭主の國藏と云う奴に云って、いつでも仕返しけえしに来いと云って
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
むくい候心得に御座候ひし又島の事も然の通り主人の申付にまかせ殺して仕舞しまうやすけれどもかれは女に似氣にげなき忠節者ちうせつものゆゑせめて命ばかりも救ひ得させんと種々に主人をいさめ候て一先かれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
不平があれば出て仕舞しまうい、出なければ不平をわぬがよいと、毎度とめて居たことがあるが、れはマア私の生付うまれつきの性質とでも云うようなものでしょう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かなしいとへば商買しようばいがらをきらふかと一トくちはれて仕舞しまう、ゑゝうなりとも勝手かつてになれ、勝手かつてになれ、わたしには以上いじようかんがへたとてわたしかたわからぬなれば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
取たと迄ちく白状仕はくじやうしたならばおのれも早く申上て仕舞しまうがイヽアノこゝ大盜人おほぬすびとめと砂利じやりたゝいて舊惡きうあくかぞたつれど段右衞門は落付おちつきはらい否々いや/\博奕ばくちうちても人を殺し金をぬすんだ覺えはないぞと云を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
毀して手分てわければ、三十人も五十人も居るからまたたに出来て仕舞しまううが、それは出来ない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
れで丁度てうど加减かげんつかれて仕舞しまう、そんなにおまへ正直しようぢきつとまものかと嘲笑あざわらふやうにへば、おほきにさといふ、相手あいて茂助もすけがもとのやすらうがこゑなり、正直しようぢきといえば此處こゝ旦的だんつきが一けんもの
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)