“ひふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
被布52.0%
皮膚34.6%
鄙夫2.4%
皮肌1.6%
秘符1.6%
被衣1.6%
被風1.6%
火吹0.8%
秘府0.8%
脾腑0.8%
(他:3)2.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ようやくそれを追払って五六枚無難に通過したかと思うと、御母おっかさんの切り下げの被布ひふ姿がページの上にあらわれる。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただ、上にまとっている被布ひふと、駕を出て、手についていた象牙がしらの精巧な杖だけが、頼春水の未亡人らしくあった。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はひとうらやむ程光沢つや皮膚ひふと、労働者に見出しがたい様に柔かな筋肉をつた男であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もう一人の支那人、——鴉片あへんの中毒にかかっているらしい、鉛色の皮膚ひふをした男は、少しもひるまずに返答した。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
えてこのなき者の若きは、鄙夫ひふ小人と爲す、碌碌ろく/\としてかぞふるに足らざるもののみ。
一、人、古今に通ぜず、聖賢を師とせざれば、則ち鄙夫ひふのみ。書を読み友をたっとぶは君子の事なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そうかと思うと、西の土に落ちて育って花が咲いてを結んだ東の種だことのと、古来いろんな人に色んなことを言われて来ているこのESPANA——黒髪の女と橄欖オリーブ色の皮肌ひふ
この女性が今までに、あらゆる異性の魂を吸い寄せ迷い込ませて来たエロの殿堂の神秘力は、その左右の乳房の間の、白い、なめらかな皮肌ひふの上に在る……底知れぬ×××××と、浮き上るほどの××××××を
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お! そうだ! こうしちゃいられねえ——伊織さん、先生がいうにゃア、自分はこれからただちに水火の秘符ひふを持って美濃みのせきへ帰るが、ついてはこの二刀はもともとお前さまのお家の物、先生としちゃア文状もんじょうさえ手に入れれば夜泣きの刀には用はねえ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
霊廟れいびょうの土のおこりを落し、秘符ひふの威徳の鬼を追ふやう、立処たちどころに坊主の虫歯をいやしたはることながら、路々みちみち悪臭わるぐささの消えないばかりか、口中こうちゅうの臭気は、次第に持つ手をつたわつて、そでにも移りさうに思はれる。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そんな日の午前あさ、紫の竜紋りゅうもんあわせ被衣ひふを脱いで、茶筌ちゃせんのさきを二ツに割っただけの、鬘下地かつらしたじった
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
長くいた引きずその、二枚重ねのつまさきは、柔らかい緑色の上履スリッパつまさきにすっとなびいている、紫の被衣ひふのともいろのひもは、小高い胸の上に結ばれて、ゆるやかに長く結びさげられている。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
何為なぜあの被風ひふを着ないのかね、あれは好く似合ふにな。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
にほひなどこぼれぬべく、熱しとて紺の絹精縷きぬセル被風ひふを脱げば、羽織は無くて、粲然ぱつとしたる紋御召のあはせ黒樗文絹くろちよろけん全帯まるおび
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
医心方はよゝ秘府ひふに蔵儲せられてゐた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
早く親に死に別れて、叔父の出雲屋岩太郎に引取られ、鎌倉町の店で、多勢の番頭小僧と一緒に、ぬかだらけになって働いて居りましたが、去年の秋から、馴れない俵などを担がせられた為に、今の肋膜炎——昔の所謂いわゆる脾腑ひふを揉んで病気になり
銭形平次捕物控:245 春宵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
と、たちまち血みどろになって大牛の死骸が投げ出され、騎士と牛の闘争が終ると、左手に赤い蔽布ひふをひるがえし、右手に尖剣せんけんをきらめかした闘牛士が徒歩で牛と立向い、古武士的な闘牛士の動作を観衆は讚美熱狂するのです。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
雪子は被皮ひふを着て、物に驚いたような頓狂とんきょうな顔をしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
費府ひふは、桑港そうこうに次で市政の紊乱びんらんせる所であった、ぜソウなったかというに、費府はクエーカー宗の人々の建てた市で、クエーカー宗ではおのれをただしくすということに重きを置くものだから、市の重なる人々が市政に与からぬ、善い人が政治に手を出さぬものだから、市政が次第に紊乱したのである。
人格を認知せざる国民 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)