“はやま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハヤマ
語句割合
端山33.3%
葉山25.0%
早間19.4%
早待2.8%
早計2.8%
羽山2.8%
2.8%
輕擧2.8%
2.8%
逸外2.8%
2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
広い端山はやまの群った先は、白い砂の光る河原だ。目の下遠く続いた、輝く大佩帯おおおびは、石川である。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
かつては葉山はやまで木部と二人でこうした楽しい膳に向かった事もあったが、その時の心持ちと今の心持ちとを比較する事もできないと葉子は思った。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そういううちも、丁目の三味線太鼓早間はやまに賑々しく地囃子が、水銀みずがねいろをした暮春の夕闇をかき乱すように聞こえてくる。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
我からと惜気おしげもなく咲いた彼岸桜ひがんざくらに、いよいよ春が来たなと浮かれ出したのもわずか二三日にさんちの間である。今では桜自身さえ早待はやまったと後悔しているだろう。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「うん。そう言やそうだの。こりゃあ俺が早計はやまったか。」
むこうに黒いみちがある。がけしげみにはいって行く。これが羽山はやまえて台にるのかもわからない。帰りにのぼるとしようかな。いいや。だめだ。曖昧あいまいだしそれにみんなも越えれまい。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
人にも知られず、我身一つの恥辱ならんには、このおもて唾吐つばはかるるもいとはじの覚悟なれど奇遇は棄つるに惜き奇遇ながら、逢瀬あふせは今日の一日ひとひに限らぬものを、事のやぶれを目に見て愚にはやまるべきや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
御前へめされ汝必ず輕擧はやまる事なかいまだ其者刑罰けいばつに行はざれば再應さいおう取調とりしらべ此後とて出精しゆつせい相勤あひつとむべしと上意有しかば大岡殿御仁ごじん惠の御沙汰さたかしこまりたてまつると感涙かんるゐを流され御前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
覺まされなば一大事と思へばそばへ立寄てやいばもつしつかとゞめ聲をひそめて云るやうむすめはやまる事なかれ委細ゐさいの事は書置かきおきにてちく諒知しようちなしたりし流石さすがは大藤武左衞門の娘だけあり無き名をおひ遺恨ゐこん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「はやまった、ことばのはずみだ、逸外はやまった。その短銃たんづつを、すぐに引掴ひっつかんで引金をひねくるから殺風景だ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はやまって真実まことの人間を投込んだのではあるまいかと、半信半疑でその夜を明し、翌朝念の為に再びのドンドンへ往って見ると、昨夜ゆうべに変らぬは水の音のみで、更に人らしい者の姿も見えぬ
河童小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)