葉山はやま)” の例文
東京近辺では、逗子ずし葉山はやま。千葉県では内房うちぼう地方、……その辺が、月五回の部分に当りますから、一番雷がすくないわけですね。
雷嫌いの話 (新字新仮名) / 橘外男(著)
かつては葉山はやまで木部と二人でこうした楽しい膳に向かった事もあったが、その時の心持ちと今の心持ちとを比較する事もできないと葉子は思った。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
柳之助りゅうのすけ亡妻ぼうさいの墓に雨がしょぼ/\降って居たと葉山はやまに語るくだりを読むと、青山あおやま墓地ぼちにある春日かすが燈籠とうろうの立った紅葉山人こうようさんじんの墓が、と眼の前にあらわれた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ほんの子供の時、葉山はやまに小さな家があって、夏冬には出かけたものである。
可愛い山 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
たしかに葉山はやまにいらっしてるはずだと思って、安心してやって来たのに
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
家にいても気がふさぐというので銭湯へ行ったその帰り道、横町の曲角まがりかどで不意と出会ったのは、芸者の時分お千代に取っては慶三と同等にく大事なお客の中の一人であった葉山はやまという若い男である。
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
たけ葉山はやま雨滴あまじたりはらめくみち
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
青山あおやま葉山はやま羽黒はぐろ権現ごんげんさん
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
木部はすぐ葉山はやまに小さな隠れのような家を見つけ出して、二人はむつまじくそこに移り住む事になった。葉子の恋はしかしながらそろそろと冷え始めるのに二週間以上を要しなかった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)