“なこうど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仲人37.3%
媒人15.8%
媒妁人11.4%
媒妁10.1%
媒介人4.4%
媒酌人4.4%
媒介3.8%
1.9%
媒酌1.9%
月下氷人1.9%
仲介人1.3%
氷人1.3%
仲介0.6%
媒酌者0.6%
媒介者0.6%
媒婆0.6%
媒氏0.6%
媒灼0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は、斯波しば家の臣、高島左京大夫のむすめで、利家にとついだのも、その仲人なこうどは、まだ小身時代の、秀吉寧子ねねの夫婦だったのである。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その頃、横浜初音町の辺で開業していた漢方医の吉益よします某の媒人なこうどで、新たに妻として迎えたひとが、ぼくの母、山上いく子であった。
と云い、甚藏は縁切でもなんでも金さえ取ればいゝ、と話が付き、ず作右衞門が媒妁人なこうどで、十一月三日に婚礼致しました。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
殊にほかもん媒妁なこうどをするのと違って、此の名主が媒妁をするのだから、礼の一言ひとことも言わしなければならねえのに、何ういう訳でわりゃア拒むな
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その媒介人なこうどはかの高巌寺の住職で、話はもう半分以上まで進行したときに、今度は思いもよらない不運がかれの上に落ちかかって来た。
半七捕物帳:24 小女郎狐 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
もともと東京へ帰ってからもらうという約束があったので、媒酌人なこうどもその地にはいなかった。健三は参考のためこの媒酌人が書いて送ってくれた注意書ちゅういしょのようなものを読んで見た。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何卒どうかお母さん得心してすみやかに承諾して下さい、僕が媒介なこうどする、お聞済きゝずみなれば誠に満足で、何うかひらに御承知を願いたい
陸との縁談はなこうどが先方に告げずに渋江氏に勧めたのではなかろうが、余り古い事なので巽さんはすでに忘れているらしい。然るにこの度は陸が遂に文一郎のへいしりぞくることが出来なくなった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「君たちはだいぶ仲がいいようだが、まだ私に媒酌なこうどを頼みに来ないネ」と課長は更に機嫌がよかった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
月下氷人なこうどという役がどんなに難かしいものか、第一課でうんと手を焼いてみるがいいや。
密造酒をつくることも、仲介人なこうどが結納品のかけ合をやる婚礼もすぐには絶えなかった。
子といっても山楽は本当の子ではない、養子であったのだ、しかもその養子の氷人なこうどが、やっぱり天下第一の秀吉の直接の口利きであっただけに、養子ではあったが、不肖の子ではなかった。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
金五郎は、井上安五郎に、仲介なこうどを依頼した。安五郎も、勝則から頼まれたときには、反対したけれども、事態がここまで来れば、ひと骨折ろう、と、快諾した。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「そうか。そんなら、知らせとく。仲介なこうどは、友田喜造ちゅうことじゃ。そのことも、知らせとく」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
わしも初は進まなかったが考えてみると娘の為め細川の為め至極良縁だと思う、何卒どう貴所あなたその媒酌者なこうどになってくれまいかとの言葉。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
拙者が媒酌者なこうどを承諾するや直ぐ細川を呼びにやった、細川は直ぐ来た、其処そこで梅子さんも一座し四人同席の上、老先生からあらためて細川に向い梅子さんを許すことを語られ又梅子さんの口から
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
昆虫は花の媒介者なこうどだ。蠅も、胡蜂も、蜜蜂も、土蜂も、甲虫も、蟻も、皆雄蕋の花粉を柱頭に運んでやる助太刀をする。虫は皆な、花冠の底にある蜜に誘はれて、花の中に潜り込む。
と言って、結婚を申込むと、女は承諾して少女を媒婆なこうどにして結婚の式をあげるとともに、孫恪はそのまま女の家に居座って入婿となった。
碧玉の環飾 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
柴の里の庄司しょうじの一人女子むすめで、大内おおうち采女うねめにあずかっていたのが婿を迎えることになり、媒氏なこうどをもって豊雄の家へ云って来た。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
どうせ横紙破りの祝言だ。媒灼なこうども何も要った物ではない。どれ、藤をげますから。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「私は毛遂もうすいじゃないのです、曹邱そうきゅうです。十一娘とあなたが結婚ができるように、人のなこうどになりたいと思って来たのです。」
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)