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媒人
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なこうど
ふりがな文庫
“
媒人
(
なこうど
)” の例文
さてその上で双方に不服がなければ改めて
媒人
(
なこうど
)
を立て、結納を取り交し、五
荷
(
か
)
とか、七荷とか、十三荷とか、花嫁の荷物を婚家へ運ぶ。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その頃、横浜初音町の辺で開業していた漢方医の
吉益
(
よします
)
某の
媒人
(
なこうど
)
で、新たに妻として迎えたひとが、ぼくの母、山上いく子であった。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
角「癒らねえと思えばこそ盃をさせるのだ、サア
此処
(
こけ
)
へ来て早く内輪ばかりだから酒だけでいゝ、太左衞門
媒人
(
なこうど
)
になって早く酌」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
先方では待っていたらしかった。殊に娘さん自身が待っていたらしいということさえ、
媒人
(
なこうど
)
の口から穂積家へ伝えられた。
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そら、
媒人
(
なこうど
)
でしょう
家
(
うち
)
は? だから、
阿父
(
とう
)
さんも
阿母
(
かあ
)
さんも早めに行ってないと
不好
(
いけない
)
って、
先刻
(
さっき
)
出て行ったのよ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
また天皇は、弟のハヤブサワケの王を
媒人
(
なこうど
)
としてメトリの王をお求めになりました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
屏風を隔てて、この
紅
(
くれない
)
の袴した
媒人
(
なこうど
)
は、花やかに笑ったのである。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お婆さん、私はまだ
妻室
(
かない
)
がないから、
媒人
(
なこうど
)
をたのみたいが」
断橋奇聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この間、
沓野
(
くつの
)
村のお帰りに立ち寄られた象山先生——あの
松代
(
まつしろ
)
の佐久間
修理
(
しゅり
)
殿じゃ、そのお方が、
媒人
(
なこうど
)
してとらせるともいうておられる。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
我ながら
斯
(
か
)
かる悪人を憎いとも
思召
(
おぼしめ
)
さず、改心の上は
媒人
(
なこうど
)
になって、良い嫁を世話して遣ろうとまで仰しゃるは、何ともどうもお
情
(
なさけ
)
の深いお方
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この年の頃になって、
媒人
(
なこうど
)
が
表坊主
(
おもてぼうず
)
大須
(
おおす
)
というものの
女
(
むすめ
)
照
(
てる
)
を
娶
(
めと
)
れと勧めた。「武鑑」を検するに、慶応二年に勤めていたこの氏の表坊主父子がある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
媒人
(
なこうど
)
やら、叔父の小林鉄之丞やら、婚家の
定紋提灯
(
じょうもんちょうちん
)
をぶら下げて、
麻裃
(
あさがみしも
)
の影を、ゆらゆら、藪に描きながら、だらだら坂を降りて行った。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
婆「よすが
宜
(
い
)
いよ、又五八がそんな事を言わなければ
宜
(
い
)
いのに、相手は侍で名主が
媒人
(
なこうど
)
だというから、
間違
(
まちげ
)
えが出来るといけねえから
往
(
い
)
かねえが
宜
(
よ
)
うがんすよ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
縁者廻りの第一に彼と新妻は正装して、この度の婚儀に、
媒人
(
なこうど
)
の声がかりを賜わった主君のお
従兄弟
(
いとこ
)
、
名古屋因幡守
(
なごやいなばのかみ
)
を堀川の邸に訪ねて
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
友「お村と
私
(
わたくし
)
を本当に
媒人
(
なこうど
)
になって夫婦にして下さいますか、どうぞ願います、拝みますから」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
頂上の
転法輪寺
(
てんぽうりんじ
)
には、松尾刑部やら、なつかしい顔が、大勢待っていてくれた。刑部は久子が嫁いだ時の
媒人
(
なこうど
)
である。みな
宥
(
いたわ
)
りぬいてくれる。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丈「
臨終
(
りんじゅう
)
の願いに清次殿、お
媒人
(
なこうど
)
となって、おいさと重二郎どのに婚礼の三々九度、
此所
(
こゝ
)
で」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
媒人
(
なこうど
)
たる
名古屋因幡守
(
なごやいなばのかみ
)
は主筋であり
大身
(
たいしん
)
に過ぎるので、こちらから辞退して、御家臣の
某
(
なにがし
)
が夫妻で、今夜は手伝いがてら見えているらしい。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五「往って下せえ、なんとマア名主が
媒人
(
なこうど
)
だって、名主まで馴合っていやアがるんだもの」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「オ、梅湯か。ム、たいそう
薫
(
かお
)
りがいい、
酢味
(
すみ
)
もちょうどだ。ところで婆さん、梅っていう字は
楳
(
ばい
)
とも書く。楳の意味はまた、
媒人
(
なこうど
)
にも通じるッてね」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
改心すれば
私
(
わし
)
が妹よりは
優
(
まさ
)
った女房を持たせよう、
私
(
わし
)
が
媒人
(
なこうど
)
になって生涯親しく
交際
(
つきあ
)
おうじゃないかと、実に
情
(
なさけ
)
の
辞
(
ことば
)
で中々感心致したな、
私
(
わし
)
もそこで真実改心する気になって
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「沢庵坊、ほっとしたであろうが。おぬしは、そもそも、武蔵とお通とをくッつけた不義の
媒人
(
なこうど
)
じゃほどにの」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御重役様が
媒人
(
なこうど
)
で芽出度く夫婦になるので、これは小三郎さまからの御書面でございます
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……はははは何だかまるで、
媒人
(
なこうど
)
の言い草みてえになッちゃったなあ。——じゃあ兄さん、行ってきますよ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
矮虎も恰好なのをそのうちに見つけるサと皆してなだめ、また宋江は、秦明の
癒
(
い
)
えない孤愁を思いやって、自分が
媒人
(
なこうど
)
の労をとり、花栄の妹を、秦明の妻にめあわせた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お
媒人
(
なこうど
)
の名代殿には、いずれへ退散してしまわれたか。寧子どの、そこらに、小鼓はないか」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを、無理に引っ立てて、玄関へ駈け出ると、
媒人
(
なこうど
)
は、
平謝
(
ひらあやま
)
りに、謝っていた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と親族、
媒人
(
なこうど
)
の一群が、松明をかかげて、途中まで、姫君の迎えに来る。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「幸い、石川主殿とは、面識もあるゆえ、拙者からも、示談の口添えいたそう。——その代りに、庄次郎へ、
一札
(
いっさつ
)
書かせ、
媒人
(
なこうど
)
と同道して、極力、先方へ
謝
(
あやま
)
るにかぎる。お互いに、前途のある身だ」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——しかし、今はもうこの城も、わが旗の下に、確乎と占領されたのだから、その美人を
娶
(
めと
)
って、溺れない程度に、そちの妻としても誰も非難するものはないだろう。玄徳が
媒人
(
なこうど
)
してとらせようか」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
両家のあいだに、華やかな婚儀が
執
(
と
)
りむすばれ、
媒人
(
なこうど
)
は
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、伯母も、
媒人
(
なこうど
)
も、駕のうしろでそっと眼をふいた。
下頭橋由来
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おかげで私も今月は一組の
媒人
(
なこうど
)
役をたのまれている。
美しい日本の歴史
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
したのが誤りだった。
媒人
(
なこうど
)
が若い
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
媒
常用漢字
中学
部首:⼥
12画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“媒人”で始まる語句
媒人口
媒人役
媒人方