“表坊主”の読み方と例文
読み方割合
おもてぼうず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この年の頃になって、媒人なこうど表坊主おもてぼうず大須おおすというもののむすめてるめとれと勧めた。「武鑑」を検するに、慶応二年に勤めていたこの氏の表坊主父子がある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
七月二十四日にかつて安政中鷲津毅堂の隣家に住んでいた幕府表坊主おもてぼうず中山文節という者が病没した。毅堂はその遺族の需に応じて墓誌を撰した。墓誌は『事実文編』に収載せられている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
御三家の登城なので、格式どおり部屋へや付の表坊主おもてぼうずが、すでにそこに控えているのに、まるで往来でも見て歩くような万太郎の放言が、兄の義通よしみちにはいちいちハラハラされてたまりません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)