“てがら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手柄45.1%
手絡30.5%
7.9%
手功6.1%
功名2.4%
功績1.8%
殊勲1.2%
勲功1.2%
功労0.6%
効績0.6%
0.6%
手勲0.6%
軍功0.6%
髪飾0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天子てんしさまはたいそう頼政よりまさ手柄てがらをおほめになって、獅子王ししおうというりっぱなつるぎに、おうわぎ一重ひとかさえて、頼政よりまさにおやりになりました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
毎日夕方からお湯に入りに行くことを日課にしているその女の意気がった髪に掛けた青い色の手絡てがらたまらなく厭味いやみに思うものであった。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何じゃ騒しいな。ふ、ふ、あ、あ、それは結構。何さ、しかし心配には及ばぬよ。殺されたものは損、照子殿はえらてがらじゃ、妖物ばけもの
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分も恥なき戦いはしたつもりであるが、これという人目立つ手功てがらは何もないせいであった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あわれかかるものに成るべきならば功名てがらを得させて、多年いだける心願こころだのみそむかざらしめたし、草木とともに朽ちて行く人の身はもとより因縁仮和合いんねんけわごう
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
勿論もちろん男の憎い事などは産が済んだ一刹那いっせつなに忘れてしまった自分は、世界でこの刹那に一大功績てがらを建てたつもりですから、最早如何なる憎い者でもゆるしてやるといったような気分になります。
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
見よがしの殊勲てがらは、すでに殊勲にてはなきぞ。八幡照覧、信長の眼前、ただきょうを一期いちご無我無性むがむしょうに働く者ぞまことの織田武士なれ
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何か勲功てがらがあったので褒美ほうびに王様からほふった駱駝らくだを一匹もらった男があった。男は喜んで料理に取りかかった。なにしろ大きな駱駝一匹料理するのであるから手数がかかる。
愚かな男の話 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
この体態ていたらくを見て、事の由来おこりを尋ぬるに、黄金丸はありし仕末を落ちなく語れば。鷲郎もその功労てがらを称賛しつ、「かくては御身が疾病いたつきも、遠ほからずして癒ゆべし」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
何も夜更よふかししてまで克明に答案を調べるにも及ばない、爪先で一々跳ね飛ばしてもよく判る筈なので、それを発明した和田垣博士の効績てがらは、立派な天才の事業である。
このときにはその人は他ののべつに作を発表している作家より、はるかに切な、深い生き方をしているのに、文壇的には何のてがらもなかったことになる。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「光秀。——桑名くわな滝川一益たきがわかずますより、頻々ひんぴん、援軍の催促さいそくである。そちも、出向いて、ひと手勲てがらいたして来い」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よい軍功てがらをあげさえすれば、嫁などは、三国中の好きな女を選ぶことができるではないかと。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丁度、旦那様の御留守、母親おふくろは奥様にばかり御目にかかったのです。奥様は未だ御若くって、おおき丸髷まるまげに結って、桃色の髪飾てがらを掛た御方でした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)