手功てがら)” の例文
徳川家康をはじめ、諸将老臣が居合わせていたし、それを語れば、自然、自分の手功てがらばなしとなるので、わざと、避けたものと見て、信長も深くは訊かなかった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分も恥なき戦いはしたつもりであるが、これという人目立つ手功てがらは何もないせいであった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
抜け駈けのまた抜け駈けは、同士討に似る。はやり合っては事を破ろう。われも甲斐源氏なり御辺たちも甲斐源氏の一党。ひとりひとりの手功てがらを捨てても、甲斐源氏の名において名誉を
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「仕方がありません。なにしろ日頃の手当は薄いし、こんなつまらぬ役をいいつかって、兗州まであんな老いぼれを護送して行っても、なんの手功てがらにもならないことは知れていますからね」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手功てがらをせよ。大きな出世を望むがいい。今をいてまたとないぞ」
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「でも、私はまだ、殿さまのような手功てがらをたてておりませんから」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
討って手功てがらになるものではなし、不愍ふびん——と思ったので、唯七が
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「十郎左が手功てがらばなし、吉良殿の寝間ねまを探った一件じゃ」
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なあに、わしの手功てがらじゃございません。御老婆様のはかりごとが、巧く図にあたったのでございますよ。……それと、貴女様が、御郷里に帰っているとは、お通めも、夢にも知らずにいたもんですから……」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(そちも行って手功てがらをして来い)
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹屋三位卿、わが手功てがらのように
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)