“きぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
希望65.9%
冀望7.7%
詭謀4.4%
企望3.3%
癸卯2.2%
毀謗2.2%
鬼謀2.2%
既望2.2%
机忙1.1%
譏謗1.1%
企謀1.1%
危亡1.1%
奇謀1.1%
奇貌1.1%
己卯1.1%
期望1.1%
機鉾1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
武村兵曹たけむらへいそう相變あひかはらず淡白たんぱくで、慓輕へうきんで、其他そのほか三十有餘名いうよめい水兵等すいへいら一同いちどう元氣げんきよく、だいなる希望きぼう待望まちのぞみつゝ、勤勉きんべんはたらいてる。
差当さしあたりこの病を医すべき適切なる薬餌やくじを得、なお引続き滞岳たいがくして加養せんことを懇請こんせいしたれども、かれざりしかば、再挙の保証として大に冀望きぼうする所あり
この愉快、この欲望は、自然が人間に繁殖をはからせる詭謀きぼうである、である。こんな餌を与えないでも、繁殖に差支さしつかえのないのは、下等な生物である。醒めた意識を有せない生物であると云っている。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
旧藩地に私立の学校をもうくるは余輩よはいの多年企望きぼうするところにして、すでに中津にも旧知事の分禄ぶんろくと旧官員の周旋しゅうせんとによりて一校を立て、その仕組、もとより貧小なれども
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
天保十四年癸卯きぼう五月四日大沼枕山は岡本黄石おかもとこうせきに招かれて湯島ゆしまの松琴楼に飲んだ。黄石名は迪、字は吉甫、通称を半介という。井伊掃部頭直亮いいかもんのかみなおあきの家に仕えた老臣で、詩を星巌に学んでいた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一千年のうちに、不浄観を聞〔欄外「開?」〕かん、瞋恚しんいして欲せじ。千一百年に、僧尼嫁娶せん、僧毘尼びに毀謗きぼうせん。千二百年に、諸僧尼らともに子息あらん。千三百年に、袈裟変じて白からん。
親鸞 (新字新仮名) / 三木清(著)
同じ頭脳あたまをもちながら、どこからそんな鬼謀きぼうと鋭い神算がひらめくものかと、自分の頭脳あたまとくらべて、呆れ顔であった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
既望きぼうの月が冴えた光を送って来た。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
いちいちの御返事は、机忙きぼう、とても不可能なので、おわびしておく。ただ黙し難い御注意二、三のみを、ここでお答えしておきたい。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かねて隠岐一遊を、島の団体からすすめられているが、原稿も日々遅々ちちだし、机忙きぼうは溜るばかりで、どうも今のとこ行けそうもない。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
譏謗きぼうの大部分は介意の価なし
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
第七章 譏謗きぼうに対する態度
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
彼は、秀吉が自分たちへ計った企謀きぼうを、余すなく、信雄の前で吐いてしまった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敵に向ってその間に一毛をいれず、其危亡きぼうかえりみず、速く乗て殺活し、当的よく本位を奪うて至者也いたるべきものなりし一心かんに止まるときは変を失す。
巌流島 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「その通りだ。会ってみい。話せる男。——奇謀きぼうばかりでなく、世を観る眼がある」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何処かむしばんだうずくろさはあってもまだまだ秀麗だった麻川氏が、今は額が細長く丸く禿げ上り、老婆のようにしわんだほおこわばらせた、奇貌きぼうを浮かして、それでも服装だけは昔のままの身だしなみで
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
松塘の社中から『七曲吟社絶句』初編二巻が出たのは少しく後れて明治十二年己卯きぼうの秋であった。ここて見るも当時詩賦の盛であったことが知られるであろう。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
心身共に独立して日本国中文明のさきがけたらんことを期望きぼうするなり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
禅僧も知らぬような鋭い機鉾きぼうを蔵し、それをやたらに常人の上に濫用して、威圧をもって世を渡ろうとしたのが後世の旅山伏であったらしい。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)