企望きぼう)” の例文
ただ企望きぼうする所は、仮令たといその子を学校に入るるにもせよ、あるいは自宅にて教うるにもせよ、家の都合次第、今時の勢いにては才学に欠点なき父母も少なからん
教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
旧藩地に私立の学校をもうくるは余輩よはいの多年企望きぼうするところにして、すでに中津にも旧知事の分禄ぶんろくと旧官員の周旋しゅうせんとによりて一校を立て、その仕組、もとより貧小なれども
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
故に下等士族は、その下等中の黜陟ちゅっちょくに心を関して昇進をもとむれども、上等に入るの念は、もとよりこれを断絶して、そのおもむき走獣そうじゅうあえて飛鳥ひちょうの便利を企望きぼうせざる者のごとし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
血気けっきはいが、ただ社会の騒動を企望きぼうして変を好み、自己の利益をもかえりみずしてみだりに殺伐をこととするは、平安の主義にもとるが如くなれども、つまびらかにその内情を察すれば
教育の目的 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
これをれ知らずしてみずから心をなやますは、誤謬ごびゅうはなはだしき者というべし。故に有形なる身分の下落げらく昇進しょうしんに心を関せずして、無形なる士族固有の品行を維持いじせんこと、余輩の懇々こんこん企望きぼうするところなり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)