高木たかぎ)” の例文
ふりかえると、なかよしの内藤ないとうが、せなかのランドセルをバタンバタンいわせながら走ってくる。高木たかぎはわらいながら立ちどまって
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
其以後そのいごたれけぬ。やうや此前このまへ素通すどほりするくらゐであつたが、四十ねんぐわつ十二にちに、は、織田おだ高木たかぎ松見まつみ表面採集へうめんさいしふ此邊このへんた。
差配人の高木たかぎというのはなくなった主人が経営していた会社の使用人で長年金庫の番人をしていた堅い老人である。
寐顔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
高木たかぎ細君さいくん夜具やぐでもかまはないが、おれはひとあたらしい外套ぐわいたうこしらえたいな。此間このあひだ齒醫者はいしやつたら、植木屋うゑきやこも盆栽ぼんさいまつつゝんでゐたので、つく/″\おもつた
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ここにその矢雉子の胸より通りてさかさまに射上げて、天の安の河の河原にまします天照らす大御神高木たかぎの神一五御所みもといたりき。この高木の神は、高御産巣日の神のまたみななり。
二十分とたたないうちに、選挙せんきょはすらすらと終わった。そして、高木たかぎ代表だいひょう中条ちゅうじょう代表候補者だいひょうこうほしゃということにきまった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
宗助そうすけ同僚どうれう高木たかぎとかをとこが、細君さいくん小袖こそでとかを強請ねだられたとき、おれは細君さいくん虚榮心きよえいしん滿足まんぞくさせるためかせいでるんぢやないとつてけたら、細君さいくんがそりや非道ひど
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところがその矢がキジの胸から通りぬけて逆樣に射上げられて天のヤスの河の河原においでになる天照らす大神高木たかぎの神の御許おんもとに到りました。この高木の神というのはタカミムスビの神の別の名です。
いわば補欠選挙ほけつせんきょになるのだからそのつもりで——では、高木たかぎ中条ちゅうじょう、この紙をみんなにくばって。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
はゝの客に行つてゐた所は、その遠縁とほえんにあたる高木たかぎといふ勢力家であつたので、大変都合がかつた。と云ふのは、其頃は世のなかうごき掛けた当時で、さむらひおきても昔の様には厳重に行はれなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
葛城かずらきのオシヌミの高木たかぎのツノサシの宮においでになりました。
そこで、かずはなれずに、高木たかぎと佐川のむすめの評判をした。高木には十年程まへに一遍つたぎりであつたが、妙なもので、何処どこかに覚があつて、此間このあひだ歌舞伎座でいたときは、はてなと思つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)