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陰影
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いんえい
ふりがな文庫
“
陰影
(
いんえい
)” の例文
やや下ぶくれで
唇
(
くちびる
)
が小さく
咲
(
さ
)
いて出たような天女型の
美貌
(
びぼう
)
だが、額にかざした腕の
陰影
(
いんえい
)
が顔の上半をかげらせ大きな
尻下
(
しりさが
)
りの
眼
(
め
)
が少し
野獣
(
やじゅう
)
じみて光った。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
陽はすつかり
傾
(
かたむ
)
いたせゐか、霜柱を碎いた足跡が、先刻よりは濃い凹みの
陰影
(
いんえい
)
を作つて、はつきり見えるのです。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……
扉
(
とびら
)
浅
(
あさ
)
うして、
然
(
しか
)
も
暗
(
くら
)
き
奥
(
おく
)
に、一
個
(
こ
)
人面蛇体
(
にんめんじやたい
)
の
神
(
かみ
)
の、
躯
(
からだ
)
を三
畝
(
うね
)
り、
尾
(
を
)
と
共
(
とも
)
に一
口
(
ふり
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
絡
(
まと
)
うたのが
陰影
(
いんえい
)
に
立
(
た
)
つて、
面
(
おもて
)
は
剣
(
つるぎ
)
とゝもに
真青
(
まつあを
)
なのを
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
よ。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それは、子供の頭にぼんやり
漂
(
たゞよ
)
つてゐる總てのなま
半可
(
はんか
)
な考へのやうに
陰影
(
いんえい
)
の多い、しかし、妙に印象的なものだつた。解説の文章は、次の揷繪とつながつてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
風は
軟
(
やわらか
)
に吹いてゐた。
五月
(
さつき
)
の空は少し濁ツて、眞ツ白な雲は、時々
宛然
(
さながら
)
大きな鳥のやうに
悠
(
ゆるやか
)
に飛んで行く。日光は薄らいだり輝いたり、都ての
陰影
(
いんえい
)
は絶えず變化する。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
輪廓
(
りんくわく
)
といひ、
陰影
(
いんえい
)
と
云
(
い
)
ひ、
運筆
(
うんぴつ
)
といひ、
自分
(
じぶん
)
は
確
(
たしか
)
にこれまで
自分
(
じぶん
)
の
書
(
か
)
いたものは
勿論
(
もちろん
)
、
志村
(
しむら
)
が
書
(
か
)
いたものゝ
中
(
うち
)
でこれに
比
(
くら
)
ぶべき
出來
(
でき
)
はないと
自信
(
じしん
)
して、これならば
必
(
かなら
)
ず
志村
(
しむら
)
に
勝
(
か
)
つ
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
うち
潤
(
しめ
)
る
石油色
(
せきゆいろ
)
の
陰影
(
いんえい
)
の
中
(
うち
)
、
薄
(
うす
)
ら
光
(
ひか
)
る
銀
(
ぎん
)
の
引手
(
ひきて
)
のそばに
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
銀の
陰影
(
いんえい
)
に吸ひついてゐる
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
陰影
(
いんえい
)
は
奥行
(
おくゆき
)
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
縺
(
もつ
)
れてやまぬ
秦皮
(
とねりこ
)
の
陰影
(
いんえい
)
にこそひそみしか。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そが
背後
(
うしろ
)
の
棚
(
たな
)
の
上
(
うへ
)
、やや
青
(
あを
)
みたる
陰影
(
いんえい
)
の
中
(
うち
)
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
陰影
(
いんえい
)
のそこはかとなきおぼろめき
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
なつかしき
陰影
(
いんえい
)
をつくらんとて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“陰影”の意味
《名詞》
陰影(いんえい :「陰翳」の「同音の漢字による書きかえ」)
薄暗いかげ。
ニュアンス。
(出典:Wiktionary)
陰
常用漢字
中学
部首:⾩
11画
影
常用漢字
中学
部首:⼺
15画
“陰”で始まる語句
陰
陰鬱
陰気
陰翳
陰陽師
陰氣
陰陽
陰欝
陰々
陰謀