“野蒜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のびる90.0%
ぬびる10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しばらくして石の巻に着す。それより運河に添うて野蒜のびるに向いぬ。足はまたれ上りて、ひとあしごとに剣をふむごとし。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
丘はまだはだら雪で蔽われているのに、それを押しのけるようにして土筆つくしが頭をだす。去年こぞの楢の枯葉を手もて払えば、その下には、もう野蒜のびるの緑の芽。
葡萄蔓の束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「いざ児ども野蒜ぬびるつみにひるつみに」とあるし、万葉の、「いざ子ども大和へ早く白菅の真野まぬ榛原はりはら手折りて行かむ」(巻三・二八〇)は、高市黒人の歌だから憶良の歌に前行している。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)