どほ)” の例文
今日けふまでの所では、読む時にはなり引入れられるやうであるけれど、読み終つたあとでは何だか縁どほい世界の消息の気がするし、多少の反感さへ残るやうである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
待ちましたと云ふ諸事左樣さう來て貰ひたしさすがは下諏訪の龜屋なりとたゝ土産みやげにとて贈られたる名物氷餅こほりもちを旅荷物のうちへ入れてうまどほであツたと馬士まごにも挨拶してこゝ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
どほくの野にも逢はなむ心なく里の真中みなかに逢へるせなかも (同・三四六三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
茶屋ちやゝ棧橋ざんばしとんと沙汰さたして、まわどほ此處こゝからあげまする、あつらもの仕事しごとやさんとこのあたりにはふぞかし、一たい風俗ふうぞくよそとかはりて女子おなご後帶うしろおびきちんとせしひとすくなく、がらをこのみて巾廣はゞひろ卷帶まきおび
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
松野まつのこたへぬ、秋雨あきさめはれてのち一日今日けふはとにはかおもたちて、糸子いとこれいかざりなきよそほひに身支度みじたくはやくをはりて、松野まつのまちどほしく雪三せつざうがもとれよりさそいぬ、とれば玄關げんくわん見馴みなれぬくつそくあり
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
茶屋が桟橋とんと沙汰さたして、廻りどほ此処ここからあげまする、あつらものの仕事やさんとこのあたりには言ふぞかし、一体の風俗よそと変りて、女子おなご後帯うしろおびきちんとせし人少なく、がらを好みて巾広はばびろの巻帯
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)