“誘拐:ゆうかい” の例文
“誘拐:ゆうかい”を含む作品の著者(上位)作品数
海野十三8
江戸川乱歩4
紫式部2
佐々木味津三2
牧逸馬1
“誘拐:ゆうかい”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語5.5%
文学 > ドイツ文学 > 小説 物語2.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その間も、フィラデルフィアのロス氏のもとへは、一通ごとに脅威を強調した誘拐ゆうかい者の手紙が、間断なく配達されていた。
チャアリイは何処にいる (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
だから春木は、すぐ牛丸君が誘拐ゆうかいされていると、かんづいたわけである。そしてそれはほんとうに正しい観察であった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こうはっきりと、これが誘拐ゆうかい者の仕業しわざとわかってみれば、相手の真の目的が金銭にあることはいうまでもない。
チャアリイは何処にいる (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
彼は厳重な警戒のために、蘭子の身辺に近づくすきがないものだから、こんな突飛とっぴ誘拐ゆうかい手段を考えついたのだ。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「確かに誘拐ゆうかいです。シグマが帰って来ました。こいつは坊ちゃんの為に、こんなに傷つくまで忠実に闘ったのです」
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すると、この押入れの中にとじこめられている人物こそ、あの女に違いない。人間豹が誘拐ゆうかいした「よいとまけ」姿の文代さんに違いない。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
だが、ちょびひげは、「恋人誘拐ゆうかい引き受け業者」なのだ。「殺人請負業」ほどではないにしても、けっして刑罰をのがれられるものではない。
影男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そのことについて今になって気がついた私は、刑務所の門前で運転手に化けると、刑務所の門前で出獄したばかりの彼をうまうまと誘拐ゆうかいしたのだった。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
牛丸平太郎は、みんなにかわいがられていた少年だから、この誘拐ゆうかい事件の反響も大きかった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
従ってこれは博士を誘拐ゆうかいしたと見なければならないはなはだ重大刑事事件であります。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「なるほど、そこに五十万円のねうちがあるというわけですね。むろん、誘拐ゆうかいでしょうね」
影男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
モンフェルメイュ村において不思議な事情の下に行なわれたという子供誘拐ゆうかいに関し、セーヌ・エ・オアーズ県からパリーの警視庁へ警察事項の報告が到来した。
その牢人と組んで、博奕ばくち、ゆすり、かたり、誘拐ゆうかいを職業にして立とうとする無頼者ならずものえるし、飲食店や売女もそれにあかりをつける。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(註五)「」はこのあいだに伝吉の枡屋の娘を誘拐ゆうかいしたり、長窪ながくぼ本陣ほんじん何某へ強請ゆすりに行ったりしたことを伝えている。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
拝啓、来る十一月十一日を期し、貴殿夫人繭子まゆこどのを誘拐ゆうかいいたすべく候間お渡し下されたく、万一それに応ぜざるときは貴殿は不愉快なる目にうべく候。
出かけながら彼は、アデライド姫を誘拐ゆうかいしに行くのだと言った。
——用事があって、地下室へ降りて来た戸波博士は、待ち構えていた怪しい一団の手によって、何の苦もなく、誘拐ゆうかいされたことは、山太郎の説明によって、間もなく、明かになった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
女は手で下のKに合図をし、肩を上げ下げして、自分はこの誘拐ゆうかいに何も罪がないのだ、ということを示そうとするのだが、この身振りにはたいして残念そうな気持も含まれてはいなかった。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
「そうなの。でも、ただの少女誘拐ゆうかいともちがうのよ。その娘さんを種に、お父さんの持っている日本一のダイヤモンドを頂戴しようってわけなの。お父さんていうのは、大阪の大きな宝石商なのよ」
黒蜥蜴 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「申し訳ありません。私たちも、途中で、第五列部隊のため、妨害をうけたのです。もちろんそれは、プラットホーム付近で、博士を誘拐ゆうかいする目的だったのでしょう。とにかく、近頃めずらしい事件です」
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「貴様に対する信用はゼロなんだが……よしもう一度使ってやる。いいか、こうするんだ。田鍋のところへ行くんだ。さっきの十万円で買収だ。買収に応じなかったら田鍋の奴を早いところ誘拐ゆうかいしてしまえ」
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それでは事実を打ち割って告白致しますが、何を隠しましょう、私は殺人犯の前科者です。破獄逃亡の大罪人です。婦女を誘拐ゆうかいした愚劣漢であると同時に、二重結婚までした破廉恥はれんち極まる人非人……。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ともかくも死んでおしまいになった人が、どこへだれに誘拐ゆうかいされて行っているかというように疑われているのは気の毒なことであると右近と話し合い、あの秘密の関係も自発的に招いた過失ではないのであるから
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それは果して麻薬であったか、それとも脳麻痺力まひりょくのある電波であったか、そのところは、はっきりしないが、何者かのたくらみによって僕がホテルの一室から他の場所へ誘拐ゆうかいされたことはたしかだった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところが、博士がX号に誘拐ゆうかいせられて、この研究所へもどって来、そしてその両眼りょうがんがはっきり見えるようになって以来、博士はたいへん元気になったけれど五少年には親しみにくいものとなってしまったのだ。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
検察官をわずらわすのは決して自分の利益にはならない、それからまた、コゼット誘拐ゆうかいに関する苦情は、その第一の結果として、自分一身と自分の多くの後ろ暗い仕事の上に法官の慧眼けいがんを向けさせることになるだろう。
草双紙狂で役者志願の一見不良じみた少年でこそはありましたが、ともかくも人間ひとりが生死も不明の誘拐ゆうかいをされたというんですから、犬やねこがまい子になったのとは、おのずから事が相違しなければならないはずだからです。
切支丹おでん屋の両名が行なった人さらい事件は、これも異教徒たちの驚嘆すべき計画の一つで、あのとおり美人に化けてその美貌びぼうにつられて通う侍のお客を物色しながら、例の手でこれを眠らし、誘拐ゆうかいしたうえにこれを切支丹へ改宗させて
島抜けの法印は、婦女誘拐ゆうかいを職とする、法網くぐりの女衒ぜげんたちのために、仲宿をすることもあるので、女わらべの泣きごえが、世の中に洩れるのをはばかり、庫裡くりの下にあなぐらを掘って、そこに畳をしき込み、立派な密室を造っていた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「そんなことはないでしょう。この院の中へ死人を人の捨てたりすることはできないことでございます。真実の人間でございましても、狐とか木精こだまとかいうものが誘拐ゆうかいしてつれて来たのでしょう。かわいそうなことでございます。そうした魔物の住む所なのでございましょう」
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)
右門の出馬するにいたったこの少年誘拐ゆうかい事件の発端が、すなわちその故障に基因していたのですが、すでに知らるるとおり、あれなる青まゆの女は、生まれが葉茶屋の多情者でしたから、お家の断絶後における淫楽いんらくの自由を得んために、じゃまな嫡子はもとの忠僕であったあの質屋、すなわち三河屋へくれてしまったのでした。
上総屋の内儀おしのは、夫の行方不明ゆくえふめいに次いで、たった一人娘のお袖の誘拐ゆうかいで、半病人のようになっており、何を訊いてもらちがあきませんが、そのうちから、上総屋吉兵衛はよほどの決心で佐野の屋敷に行ったらしく、手筐てばこの中には万一の場合のために、遺書が用意されてあったということが分りました。
君、見給え、この舟は——これは日本の猪牙ちょきではない、形をよく見給え、西洋のバッテイラ型という舟だ、間違いなく、駒井氏の無名丸から外して逃げ出して来たその舟なのだ、いいかね、君に話した毛唐のマドロスというウスノロが、少し精神に異状のある娘を誘拐ゆうかいして連れ出したのがこの舟だ——ここに乗捨てられてある以上は、もう論議無用——あの鳴り物が物を言う。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)