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誘拐
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ゆうかい
ふりがな文庫
“
誘拐
(
ゆうかい
)” の例文
「なるほど、それじゃいつか牛丸君を
誘拐
(
ゆうかい
)
した、
六天山塞
(
ろくてんさんさい
)
の山賊のゆくえをさぐるために、チャンウーの店を
監視
(
かんし
)
するというんだね」
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その牢人と組んで、
博奕
(
ばくち
)
、ゆすり、かたり、
誘拐
(
ゆうかい
)
を職業にして立とうとする
無頼者
(
ならずもの
)
も
殖
(
ふ
)
えるし、飲食店や売女もそれに
灯
(
あかり
)
をつける。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その中には
誘拐
(
ゆうかい
)
や、迷子や、記憶の喪失や、借金逃れもあったでしょうが、昔の人はそんな
詮索
(
せんさく
)
をする気もないほど
鷹揚
(
おうよう
)
だったのでしょう。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
皆さん、
懺悔
(
ざんげ
)
させて下さい。私は、チャアリイ・ロスを
誘拐
(
ゆうかい
)
して世を騒がせたジョウ・ダグラスという者です。相棒と二人でやったんです。
チャアリイは何処にいる
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
だが、ちょびひげは、「恋人
誘拐
(
ゆうかい
)
引き受け業者」なのだ。「殺人請負業」ほどではないにしても、けっして刑罰をのがれられるものではない。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
コゼット
誘拐
(
ゆうかい
)
に関する苦情は、その第一の結果として、自分一身と自分の多くの後ろ暗い仕事の上に法官の
慧眼
(
けいがん
)
を向けさせることになるだろう。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「君のお父うさんに東京で会ったことがある。俺がさも君を——照ちゃんと言わせて貰おう、照ちゃんを
誘拐
(
ゆうかい
)
したみたいに、お父うさんから誤解された」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
ともかくも人間ひとりが生死も不明の
誘拐
(
ゆうかい
)
をされたというんですから、犬やねこがまい子になったのとは、おのずから事が相違しなければならないはずだからです。
右門捕物帖:04 青眉の女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
真実の人間でございましても、狐とか
木精
(
こだま
)
とかいうものが
誘拐
(
ゆうかい
)
してつれて来たのでしょう。かわいそうなことでございます。そうした魔物の住む所なのでございましょう
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
婦女を
誘拐
(
ゆうかい
)
した愚劣漢であると同時に、二重結婚までした
破廉恥
(
はれんち
)
極まる人非人……。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そこは盃盤をそのまま、
燭台
(
しょくだい
)
ばかり
煌々
(
こうこう
)
と明るいが人間は誰もいない。「
誘拐
(
ゆうかい
)
」という文字が頭へきたので、我知らずとび出そうとすると、御
屏風
(
びょうぶ
)
の蔭から赤い
紐
(
ひも
)
のような物がみえる。
若殿女難記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
君に話した毛唐のマドロスというウスノロが、少し精神に異状のある娘を
誘拐
(
ゆうかい
)
して連れ出したのがこの舟だ——ここに乗捨てられてある以上は、もう論議無用——あの鳴り物が物を言う。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
出かけながら彼は、アデライド姫を
誘拐
(
ゆうかい
)
しに行くのだと言った。それは大公爵の令嬢で、かなりきれいだった。ドイツのある小貴族に嫁しているが、数週間両親のもとへ帰って来ていた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
婦女
誘拐
(
ゆうかい
)
を職とする、法網くぐりの
女衒
(
ぜげん
)
たちのために、仲宿をすることもあるので、女わらべの泣きごえが、世の中に洩れるのをはばかり、
庫裡
(
くり
)
の下に
窖
(
あなぐら
)
を掘って、そこに畳をしき込み
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
女は手で下のKに合図をし、肩を上げ下げして、自分はこの
誘拐
(
ゆうかい
)
に何も罪がないのだ、ということを示そうとするのだが、この身振りにはたいして残念そうな気持も含まれてはいなかった。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
それにつけてまずおわび、全く失礼いたしてござるよ。お名をかたって浅草から、いわば、
誘拐
(
ゆうかい
)
いたしたので。が、それとて例の獲物、あいつが是非ともほしくてな。そこでちょっと小手細工。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
(註五)「
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
」はこの
間
(
あいだ
)
に伝吉の枡屋の娘を
誘拐
(
ゆうかい
)
したり、
長窪
(
ながくぼ
)
の
本陣
(
ほんじん
)
何某へ
強請
(
ゆすり
)
に行ったりしたことを伝えている。これも他の諸書に載せてないのを見れば、
軽々
(
けいけい
)
に
真偽
(
しんぎ
)
を決することは出来ない。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それが
誘拐
(
ゆうかい
)
されて屋根のないボウトに
棲
(
す
)
み、何カ月も風雨に
曝
(
さら
)
されて、こんな物をただ一つの
玩具
(
おもちゃ
)
に一人で遊んでいたのだ。
チャアリイは何処にいる
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
彼らは新聞記事によって、明智小五郎と「人間
豹
(
ひょう
)
」との対立をよく知っていた。明智夫人
誘拐
(
ゆうかい
)
事件についても、けさの新聞を読んだばかりだ。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だから春木は、すぐ牛丸君が
誘拐
(
ゆうかい
)
されていると、かんづいたわけである。そしてそれはほんとうに正しい観察であった。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
上総屋の内儀お
篠
(
しの
)
は、夫の
行方不明
(
ゆくえふめい
)
に次いで、たった一人娘のお袖の
誘拐
(
ゆうかい
)
で、半病人のようになっており、何を訊いても
埒
(
らち
)
があきませんが、そのうちから
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
モンフェルメイュ村において不思議な事情の下に行なわれたという子供
誘拐
(
ゆうかい
)
に関し、セーヌ・エ・オアーズ県からパリーの警視庁へ警察事項の報告が到来した。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
どこへだれに
誘拐
(
ゆうかい
)
されて行っているかというように疑われているのは気の毒なことであると右近と話し合い、あの秘密の関係も自発的に招いた過失ではないのであるから
源氏物語:54 蜻蛉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
これではまるで俺は子供のころに読んだ黒岩
涙香
(
るいこう
)
の探偵小説のなかの人物のようだった。悪漢に
誘拐
(
ゆうかい
)
される哀れな犠牲者にそっくりだ。と思ったのは、恐怖のせいだけではない。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
右門の出馬するにいたったこの少年
誘拐
(
ゆうかい
)
事件の発端が、すなわちその故障に基因していたのですが、すでに知らるるとおり、あれなる青まゆの女は、生まれが葉茶屋の多情者でしたから
右門捕物帖:04 青眉の女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「かれらがもしあの娘を
誘拐
(
ゆうかい
)
したとすれば」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
エンジンが深夜の屋敷町にけたたましく響き渡ったかと思うと、この異様な
誘拐
(
ゆうかい
)
自動車は、たちまち明智探偵事務所の門前を遠ざかって行った。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そのことについて今になって気がついた私は、刑務所の門前で運転手に化けると、刑務所の門前で出獄したばかりの彼をうまうまと
誘拐
(
ゆうかい
)
したのだった。
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかしこれではまるで私が
誘拐
(
ゆうかい
)
しましたと自首して出るようなもので、そんな馬鹿なことをするやつはあるまい。
チャアリイは何処にいる
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
あのとおり美人に化けてその
美貌
(
びぼう
)
につられて通う侍のお客を物色しながら、例の手でこれを眠らし、
誘拐
(
ゆうかい
)
したうえにこれを切支丹へ改宗させて、おもむろに再挙を計ろうとしたためでした。
右門捕物帖:01 南蛮幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「お萩を
誘拐
(
ゆうかい
)
したのは」
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「確かに
誘拐
(
ゆうかい
)
です。シグマが帰って来ました。こいつは坊ちゃんの為に、こんなに傷つくまで忠実に闘ったのです」
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
況
(
いわ
)
んや博士に
於
(
おい
)
ては家出せられるほどの事情は
痕跡
(
こんせき
)
ほども持って居られない。従ってこれは博士を
誘拐
(
ゆうかい
)
したと見なければならない
甚
(
はなは
)
だ重大刑事事件であります。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ああ、では人間
豹
(
ひょう
)
は、眼早くも、この美しい明智夫人を、次の
獲物
(
えもの
)
と
狙
(
ねら
)
っているのであろうか。名探偵自身の若い奥さんを
誘拐
(
ゆうかい
)
しようとでもいうのであろうか。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それとも脳
麻痺力
(
まひりょく
)
のある電波であったか、そのところは、はっきりしないが、何者かのたくらみによって僕がホテルの一室から他の場所へ
誘拐
(
ゆうかい
)
されたことはたしかだった。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
綾子がただ一人で自動車に乗ったとすれば、想像していたような
誘拐
(
ゆうかい
)
ではなく、自由意志と見るほかはなく、したがって彼女は逃亡したということになるからであった。
暗黒星
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
牛丸平太郎は、みんなにかわいがられていた少年だから、この
誘拐
(
ゆうかい
)
事件の反響も大きかった。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「なるほど、そこに五十万円のねうちがあるというわけですね。むろん、
誘拐
(
ゆうかい
)
でしょうね」
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
用事があって、地下室へ降りて来た戸波博士は、待ち構えていた怪しい一団の手によって、何の苦もなく、
誘拐
(
ゆうかい
)
されたことは、山太郎の説明によって、間もなく、明かになった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「すると、その青年たちが、手分けをして、地上の娘を
誘拐
(
ゆうかい
)
してくるというわけですね」
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
拝啓、来る十一月十一日を期し、貴殿夫人
繭子
(
まゆこ
)
どのを
誘拐
(
ゆうかい
)
いたすべく候間お渡し下されたく、万一それに応ぜざるときは貴殿は不愉快なる目に
遭
(
あ
)
うべく候。右念のため。草々敬具。烏啼天狗生拝”
奇賊は支払う:烏啼天駆シリーズ・1
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そうなの。でも、ただの少女
誘拐
(
ゆうかい
)
ともちがうのよ。その娘さんを種に、お父さんの持っている日本一のダイヤモンドを頂戴しようってわけなの。お父さんていうのは、大阪の大きな宝石商なのよ」
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
誘拐
(
ゆうかい
)
する目的だったのでしょう。とにかく、近頃めずらしい事件です
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
博士がX号に
誘拐
(
ゆうかい
)
せられて、この研究所へもどって来、そしてその
両眼
(
りょうがん
)
がはっきり見えるようになって以来、博士はたいへん元気になったけれど五少年には親しみにくいものとなってしまったのだ。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
早いところ
誘拐
(
ゆうかい
)
してしまえ
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“誘拐”の解説
誘拐(ゆうかい、英語: kidnapping)とは、他人を騙して誘い出して連れ去ること。「かどわかし」とも言う。
(出典:Wikipedia)
誘
常用漢字
中学
部首:⾔
14画
拐
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
“誘拐”で始まる語句
誘拐者
誘拐師
誘拐罪
誘拐事件