記載きさい)” の例文
春琴の眼疾というのは何であったか明かでなく伝にもこれ以上の記載きさいがないが後に検校が人に語ってまことに喬木きょうぼくは風にねたまれるとやら
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
其後そのごぐわつ二十八にちに、内山うちやま九三らう發掘はつくつして、大把手おほとつてした。其記事そのきじ東京人類學會雜誌とうきやうじんるゐがくゝわいざつしの八十六がう記載きさいせられてある。
赤穂退去以来、内蔵助の手から出した公金私用の明細を、実に細かい数字まで、丹念に記載きさいしておいた——その復讐費用の報告書なのであった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さればこゝに一証をたるゆゑ、此雪譜せつふ記載きさいして后来こうらいしめすは、かゝる瑣談さだんも世に埋冤まいゑんせん事のをしければ、いざさらばとて雪にころばす筆の老婆心らうばしんなり。
現今げんこんでは精神病者せいしんびやうしや治療ちれう冷水れいすゐそゝがぬ、蒸暑むしあつきシヤツをせぬ、さうして人間的にんげんてき彼等かれら取扱とりあつかふ、すなは新聞しんぶん記載きさいするとほり、彼等かれらために、演劇えんげき舞蹈ぶたふもよほす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
中国の空軍の活躍については、生憎あいにくニュースがなかったのか、なにも記載きさいがなかった。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
先生その大意たいいを人より聞きいいいわく、かねてより幕末外交の顛末てんまつ記載きさいせんとして志をはたさず、今評論の誤謬ごびゅうを正すめその一端をかたしとて、当時の事情をくことすこぶつまびらかなり。
きわめて平気に正直に記載きさいし報告するところの人でなければならぬ。
弓町より (新字新仮名) / 石川啄木(著)
さればこゝに一証をたるゆゑ、此雪譜せつふ記載きさいして后来こうらいしめすは、かゝる瑣談さだんも世に埋冤まいゑんせん事のをしければ、いざさらばとて雪にころばす筆の老婆心らうばしんなり。
それで戸籍こせき面の記載きさいでは、文久三年に生れ、明治十年に十五歳で今橋三丁目浦門喜十郎のもとから津村家へとつぎ、明治二十四年に二十九歳で死亡している。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
現今げんこんでは精神病者せいしんびょうしゃ治療ちりょう冷水れいすいそそがぬ、蒸暑むしあつきシャツをせぬ、そうして人間的にんげんてき彼等かれら取扱とりあつかう、すなわ新聞しんぶん記載きさいするとおり、彼等かれらために、演劇えんげき舞蹈ぶとうもよおす。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
じょするに際し伝にも明瞭めいりょう記載きさいけてあるためにその原因や加害者を判然と指摘してきし得ないのが残念であるが
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)