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うらばしご
ふりがな文庫
“
裏階子
(
うらばしご
)” の例文
が、
通
(
とほ
)
された
部屋
(
へや
)
は、すぐ
突當
(
つきあた
)
りが
壁
(
かべ
)
で、
其處
(
そこ
)
から
下
(
お
)
りる
裏階子
(
うらばしご
)
の
口
(
くち
)
は
見
(
み
)
えない。で、
湯殿
(
ゆどの
)
へは
大𢌞
(
おほまは
)
りしないと
行
(
ゆ
)
かれぬ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
五月十五日の夕方、三四度ドカドカと大勢して
裏階子
(
うらばしご
)
をかけ上る
跫音
(
あしおと
)
が留置場まで聞えた。それきり何のこともない。
刻々
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
自分の新しい化粧法がどんなふうに岡の目を刺激するか、葉子は子供らしくそれを試みてみたかったのだ。彼女は不意に岡の前に現われようために
裏階子
(
うらばしご
)
からそっと登って行った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
付て居たりし折から
顏色
(
かほいろ
)
も
常
(
つね
)
成
(
なら
)
ず
息
(
いき
)
せきと
立戻
(
たちもど
)
り
突然
(
いきなり
)
二階の小座敷へ
這入
(
はひ
)
りし
容子
(
ようす
)
啻事
(
たゞごと
)
成らずと久八が
裏階子
(
うらばしご
)
より忍び上り
襖
(
ふすま
)
の
陰
(
かげ
)
に
彳
(
たゝず
)
みて
窺
(
うかゞ
)
ひ居るとは夢にも知らず千太郎は
腕
(
うで
)
拱
(
こま
)
ぬき長庵に欺かれて五十兩
騙
(
かた
)
り取れし殘念さよと覺悟を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ですが、
裏階子
(
うらばしご
)
の、
折曲
(
おれまが
)
るのが、部屋の、まん前にあって、穴のように下廊下へ通うのですから、其処を下りた、と思えば、それ
切
(
きり
)
の事なんです。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
何も知らなかったらしい岡に、葉子はわずかにそれだけをいって、突然座を立って
裏階子
(
うらばしご
)
に急いだ。と、かけ違いに倉地は座敷にはいって来た。強い酒の香がすぐ
部屋
(
へや
)
の空気をよごした。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
……しばらく、
行燈部屋
(
あんどんべや
)
、
裏階子
(
うらばしご
)
、
三階見霽
(
さんがいみはらし
)
の
欄干
(
てすり
)
と
言
(
い
)
ふのは、
何
(
なん
)
の、
何處
(
どこ
)
の
事
(
こと
)
だとお
尋
(
たづ
)
ねがあるかも
知
(
し
)
れない。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
婆
(
ばば
)
と黒犬に見える、——その
隣室
(
となり
)
の襖際と寝床の裾——皆が沖の方を枕にしました——裾の、袋戸棚との間が、もう一ヶ所
通
(
かよい
)
で、
裏階子
(
うらばしご
)
へ出る、
一人立
(
ひとりだち
)
の口で。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
でござんさあね。さあ、上っても上っても。……私も
可厭
(
いや
)
になってしまいましてね。とんとんと
裏階子
(
うらばしご
)
を
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何しろ真夜半だ。
厠
(
かわや
)
へ
行
(
ゆ
)
くのに、
裏階子
(
うらばしご
)
を下りると、これが、頑丈な事は、
巨巌
(
おおいわ
)
を
斫開
(
きりひら
)
いたようです。下りると、片側に座敷が五つばかり並んで、向うの端だけ客が泊ったらしい。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
行燈部屋
(
あんどんべや
)
を
密
(
そつ
)
と
忍
(
しの
)
んで、
裏階子
(
うらばしご
)
から、
三階見霽
(
さんがいみはらし
)
の
欄干
(
てすり
)
へ
駈上
(
かけあが
)
つたやうである。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「鷲尾の三郎案内致せ。
鵯越
(
ひよどりごえ
)
の逆落しと遣れ。
裏階子
(
うらばしご
)
から便所だ、便所だ。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
亡者の
住居
(
すまい
)
に石で
裏階子
(
うらばしご
)
を掛けたような、
苔
(
こけ
)
に
辷
(
すべ
)
る落葉の
径
(
こみち
)
、しかも
藪
(
やぶ
)
の下で、
老猫
(
おいねこ
)
の善良なのがもし化けたら、このほかになりようはなさそうな、べろんと
剥
(
む
)
けて、くちゃくちゃと目の赤い
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また雪洞がぽっと
明
(
あか
)
くなって、ややあって、遥かに暗い
裏階子
(
うらばしご
)
へ消える
筈
(
はず
)
のが、今夜は廊下の
真中
(
まんなか
)
を、ト一列になって、
水彩色
(
みずさいしき
)
の燈籠の絵の浮いて出たように、すらすらこなたへ
引返
(
ひっかえ
)
して来て
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……川柳にさえあるのです……(細首を
掴
(
つか
)
んで
遣手
(
やりて
)
蔵へ入れ)……そのかぼそい遊女の責殺された幻が
裏階子
(
うらばしご
)
に
彳
(
たたず
)
んだり、火の車を引いて鬼が駆けたり、真夜中の戸障子が縁の方から、
幾重
(
いくえ
)
にも
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新吉原のまざり
店
(
みせ
)
、
旭丸屋
(
あさひまるや
)
の
裏階子
(
うらばしご
)
で、
幇間
(
たいこもち
)
の
次郎庵
(
じろあん
)
が三つならんだ
真中
(
まんなか
)
の
厠
(
かわや
)
で肝を消し、表大広間へ
遁上
(
にげのぼ
)
る、その階子の中段で、やせた
遊女
(
おいらん
)
が崩れた島田で、うつむけにさめざめ泣いているのを
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
階
常用漢字
小3
部首:⾩
12画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“裏階”で始まる語句
裏階段