をさ)” の例文
新字:
ベンヺ いや、これは和睦わぼくさせうためにしたことぢゃ。けんをさめい、でなくば、そのけんもっわしともに、こいつらを引分ひきわけておくりゃれ。
ひじりさとしていひけるは、汝が聞けるおのが凶事を記憶にをさめよ、またいま心をわが言にそゝげ、かくいひて指を擧げたり 一二七—一二九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その花束の一つ、姫が肩に觸れて我前に落ちたれば、我はそを拾ひて胸におしつけ、何物にも換へがたき寶ぞとをさめおきぬ。
こゝろざすは何物なにもの葛籠つゞらそこをさめたりける一二枚いちにまいきぬ打返うちかへして淺黄縮緬あさぎちりめん帶揚おびあげのうちより、五通ごつう六通ろくつうかぞふれば十二通じふにつうふみいだしてもともどれば
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此方こなたして近づく人の跫音あしおとに、横笛手早く文ををさめ、涙を拭ふひまもなく、忍びやかに、『横笛樣、まだ御寢ぎよしんならずや』と言ひつゝ部屋へやの障子しづかに開きて入り來りしは、冷泉れいぜいと呼ぶ老女なりけり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
いまおはなししたような石棺せきかんつかをさめるときには、ぢかにつちなかうづめたものもありますが、たいていは石棺せきかんまはりにあた場所ばしよに、まづ石圍いしかこひをして、そのなか石棺せきかんれ、うへふたをしたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
この倉庫さうこにはぜんまうした、海底戰鬪艇かいていせんとうてい動力どうりよく原因げんいんとなるべき重要ぢうえう化學藥液くわがくやくえきが、十二のたる滿みたされてをさめられてあるのです。じつこの藥液やくえきたるこそ、海底戰鬪艇かいていせんとうてい生命せいめいともいふべきものです。』とこたへた。
わがふところにをさめ得ば
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
此評は惡しき方にはあらねど、當日の公衆の喝采に比ぶるときは、その冷かなることいちじるしとおもはる。われは此新聞紙を疊みて行李の中にをさめたり。
ベンヺ った/\! をさめいけんを。こゝな向不見むかうみずが。
されど母上はしば/\我に向ひて、そなたのためならば、彼につきあひおくとのたまひき。餘所よその人の此世にありて求むるものをば、かの人かたみの底にをさめて持ちたり。