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葛藤
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かつとう
ふりがな文庫
“
葛藤
(
かつとう
)” の例文
愛に於ける一切の、
葛藤
(
かつとう
)
、
紛紜
(
ふんうん
)
、失望、自殺、
疾病
(
しつぺい
)
等あらゆる恐るべき熟字は皆婚姻のあるに因りて生ずる処の結果ならずや。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの事件はそつちのためには不愉快では無かつただらうが、そつちを或る
葛藤
(
かつとう
)
の中に引き入れたのは気の毒だと云つてある。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
国香の
忰
(
せがれ
)
は将門を殺さうとしてゐたといふ事を認め、そして殺さぬを残念と思つたほどの
葛藤
(
かつとう
)
が既に存在して居たと睨まねばならぬことになるのである。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
空茶
(
からちや
)
を
鱈腹
(
たらふく
)
呑んで、無精煙草を輪に吹いて、
安唐紙
(
やすからかみ
)
の模樣を勘定し乍ら、解き切れなかつた幾つかの難事件を
反芻
(
はんすう
)
し、人と人との愛慾の
葛藤
(
かつとう
)
の恐ろしさに
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
直截
(
ちよくせつ
)
に
生活
(
せいくわつ
)
の
葛藤
(
かつとう
)
を
切
(
き
)
り
拂
(
はら
)
ふ
積
(
つも
)
りで、
却
(
かへ
)
つて
迂濶
(
うくわつ
)
に
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
へ
迷
(
まよ
)
ひ
込
(
こ
)
んだ
愚物
(
ぐぶつ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
つまり人間のあり
來
(
きた
)
りの心的
葛藤
(
かつとう
)
や、因果關係の紛糾に、ピストルだの短刀だのと單純に含ませた古い型の探偵小説では、一面に科學知識の
可成
(
かな
)
り深くなつてゐる私達には物足りない。
探偵小説の魅力
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
相互
(
さうご
)
に
其
(
そ
)
の
權能
(
けんのう
)
を
越
(
こ
)
えて
他
(
た
)
の
領域
(
りやうゐき
)
を
冒
(
をか
)
す
時
(
とき
)
其處
(
そこ
)
には
必
(
かなら
)
ず
葛藤
(
かつとう
)
が
伴
(
ともな
)
はれる
筈
(
はず
)
でなければ
成
(
な
)
らぬ。
若者
(
わかもの
)
は
相
(
あひ
)
聚
(
あつ
)
まれば
皆
(
みな
)
不平
(
ふへい
)
の
情
(
じやう
)
を
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
うて、
勝手
(
かつて
)
に
勘次
(
かんじ
)
を
邪魔
(
じやま
)
なこそつぱい
者
(
もの
)
にして
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
元
(
もと
)
より
紛議
(
ふんぎ
)
も
葛藤
(
かつとう
)
も
恐
(
おそ
)
るゝ
所
(
ところ
)
でない、
正理
(
せいり
)
は
我
(
われ
)
にあるのだが、
然
(
しか
)
し
※里
(
ばんり
)
の
波濤
(
はたう
)
を
距
(
へだ
)
てたる
絶島
(
ぜつとう
)
に
於
(
おい
)
て、
既
(
すで
)
に
唯一
(
ゆいいつ
)
の
確證
(
くわくしよう
)
たる
可
(
べ
)
き
日章旗
(
につしようき
)
を
徹去
(
てつきよ
)
されたる
後
(
のち
)
は、
我
(
われ
)
に十二
分
(
ぶん
)
の
道理
(
どうり
)
があつても
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
これも当時の地方に於て綱紀の
漸
(
やうや
)
く
弛
(
ゆる
)
んだことを証拠立てるものであるが、それは武蔵権守興世王と、武蔵介経基と、足立郡司判官武芝とが
葛藤
(
かつとう
)
を結んで解けぬことであつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
葛
常用漢字
中学
部首:⾋
12画
藤
常用漢字
中学
部首:⾋
18画
“葛”で始まる語句
葛籠
葛
葛西
葛城
葛飾
葛湯
葛餅
葛布
葛根湯
葛野