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つみびと
ふりがな文庫
“
罪人
(
つみびと
)” の例文
彼わが
方
(
かた
)
に進み我彼の方に進めり、貴き國司ニーンよ、汝が
罪人
(
つみびと
)
の中にあらざるを見て、わが喜べることいかばかりぞや 五二—五四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
道具方の男たちは、ひそひそ話しあっていました。わたしはこの
罪人
(
つみびと
)
のあとについて、この男の家の部屋までのぼって行きました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
百人の正しい人々の白衣に対してよりも、悔い改めた一人の
罪人
(
つみびと
)
の涙にぬれた顔に対して、天にはより多くの喜びがあるでしょう。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「齒が痛い。痛いよう! 痛いよう!
罪人
(
つみびと
)
と人に呼ばれ、十字架にかかり給へる、救ひ
主
(
ぬし
)
イエス・キリスト……齒が痛い。痛いよう!」
宿命
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
自分がいやしい
罪人
(
つみびと
)
だったからといって、まるで
虫
(
むし
)
けらみたいなものだったからといって、
自分
(
じぶん
)
の身がつくづくいやになった時のもある。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
義人のすぐ隣に住むと考えられている
罪人
(
つみびと
)
(己れの罪を知ってそれを悲しむ人)は自分の強味と弱味との矛盾を声高く叫び得る幸福な人達なのだ。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「倭文子さん、僕はもう
罪人
(
つみびと
)
の様な密会に
堪
(
た
)
えられなくなった。君の境遇をハッキリさせて下さい。例の畑柳未亡人というのは、一体何のことです」
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もとより
罪人
(
つみびと
)
ではないので、客の来訪や出入りは自由だった。これが
囚人
(
めしゅうど
)
ならここへは来ない。直接、侍所ノ別当へ廻され、断獄されるまでである。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忘れずに居る程のなさけがあらば、せめて
社会
(
よのなか
)
の
罪人
(
つみびと
)
と思へ、
斯
(
か
)
う言つて、お志保の前に手を突いて、男らしく素性を
告白
(
うちあ
)
けて行つたことを話した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
これと大たい同じの動機や恐怖が、誘惑されて震えおののいている
罪人
(
つみびと
)
のために運命のサイコロを投じたのである。
ジーキル博士とハイド氏の怪事件
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
おれが
罪人
(
つみびと
)
で、役者のティム・ハーリーガーリーよりほかの誰でもねえ、ってことを知ってるようにおれの知ってる、そこにおいで遊ばすあの不器量な陛下に
ペスト王:寓意を含める物語
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
不当にも世に蔑まれ踏みにぢられた可憐な
罪人
(
つみびと
)
を救ふために、左門の思ひ得た唯一の策がそれであつた。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
それは、主が『汚れなき者正しき者は殺すべからず』と言われたにもかかわらず、おまえは偽りの裁きを言い渡し、罪なき者を罪にし、
罪人
(
つみびと
)
を許してやつたからだ。
スザナの物語:――経典外聖書――
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
悪人も一転して善を行ふを
得
(
え
)
、
罪人
(
つみびと
)
も一変して義を行ふを
得
(
う
)
、これぞ
基督教
(
くりすとけう
)
が教ふる実行的道徳なる。
実行的道徳
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
したがわしが全体として申しあげたいのは、もしみんなが罪業を理想化して
罪人
(
つみびと
)
らしいポーズを取つたりしなければ、醜聞などはずつと少なくなるということですわい。
ブラウン神父の醜聞
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
人生終局の目的とは
如何
(
いかん
)
、
罪人
(
つみびと
)
は罪を
洗去
(
あらいさ
)
るの途あるや、
如何
(
いか
)
にして純清に達し得べきか、これらの問題は今は余の全心を奪い去れり、しかして眼を
挙
(
あげ
)
て天上を望めば
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
「僕はお前の不名誉や、罪悪に対してそういったのじゃない、お前の偉大なる苦痛に対していったのだ。ところで、お前が偉大なる
罪人
(
つみびと
)
だってことは、そりゃそのとおりだ」
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「イエス・クリストよ、神の子よ、
不便
(
ふびん
)
なる
罪人
(
つみびと
)
に赦し給へ。主よ不便なる罪人に赦し給へ。」こんな
唱事
(
となへごと
)
を続け
様
(
さま
)
にしてゐる。心の
中
(
うち
)
でしてゐるばかりでなく、唇まで動いてゐる。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
例えば自分の父親のような心の弱い
罪人
(
つみびと
)
たちを脅やかしているように思われた。
頸の上のアンナ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
聖
(
サンタ
)
麻利亞
(
マリヤ
)
、かくも
弱
(
よわ
)
かる
罪人
(
つみびと
)
に
信
(
しん
)
の
潮
(
うしほ
)
の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
罪人
(
つみびと
)
免
(
ゆる
)
し
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
起き上れる
罪人
(
つみびと
)
のさままた斯くの如くなりき、あゝ仇を報いんとてかくはげしく打懲す神の
威力
(
ちから
)
はいかにきびしきかな 一一八—一二〇
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
もし私が
罪人
(
つみびと
)
の
首
(
かしら
)
であるならば、私はまた苦しむ者の
首
(
かしら
)
でもあるのだ。この世がこんなに恐ろしい苦悩と恐怖とを容れる余地があるとは考えられなかった。
ジーキル博士とハイド氏の怪事件
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
のみならず、この一年の間に、
大赦
(
たいしゃ
)
の令が出た。特に、五代綱吉の治代に、例の、畜類違犯で獄中にあったり、その起因による
罪人
(
つみびと
)
は、一人あまさず、
赦免
(
しゃめん
)
になった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然れども誠信なる者は
真
(
まこと
)
に難事にして、ポーロの如き大聖すら、嗚呼われ
罪人
(
つみびと
)
なるかなと嘆じたる事ある程なれば、厭世の真相を知りたる人にしてこれに勝つほどの誠信あらん人は
厭世詩家と女性
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
悪事をはたらいてしまつたやうな
罪人
(
つみびと
)
の卑屈な悔ひに悩むことなく、堂々と帰つてくることを希つてゐる。誰しも恋のまちがひはある。姦通といへども、時にはやむをえないことだね。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
僕らは等しく神の前に
罪人
(
つみびと
)
です。しかしその罪を悔い改める事によって等しく選ばれた神の
僕
(
しもべ
)
となりうるのです。この道のほかには人の子の生活を天国に結び付ける道は考えられません。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
非実験的に
丸呑
(
まるのみ
)
にし自ら信条の純正を以て誇り、人に
強
(
し
)
ゆるにこれを以てし、もし人の信仰または行為にして自分らの信条と相反する時は、ただちに彼を不信非行の
罪人
(
つみびと
)
として排斥せんとする。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
さうですよ。ですがあなたの言つてゐられるその名高いセルギウスではありません。わたしは大いなる
罪人
(
つみびと
)
ステパン・カツサツキイです。神様に棄てられた、大いなる罪人です。どうぞわたくしを
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
自分が賤しい
罪人
(
つみびと
)
だったから、虫けらみたいなつまらない者だったからといって、自分の身が
厭
(
いや
)
になった時のもある。他人が親切にしてくれなかったからといって、泣きたくなったときのもある。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
聞かれ此訴訟の
趣
(
おもぶ
)
きにては大いなる
罪人
(
つみびと
)
八
逆
(
ぎやく
)
の者多し是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
せめてはわれを
罪人
(
つみびと
)
と
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
我等は皆そのかみ横死を遂げし者なり、しかして
臨終
(
いまは
)
にいたるまで
罪人
(
つみびと
)
なりしが、この時天の光我等をいましめ 五二—五四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
私がとうとう誘惑の攻撃に負けてしまったのは、ありきたりの密かな
罪人
(
つみびと
)
としてであったのだ。
ジーキル博士とハイド氏の怪事件
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
せめてはわれを
罪人
(
つみびと
)
と
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
苦しみをかろめんため、をりふし
罪人
(
つみびと
)
のひとりその背をあらはし、またこれをかくすこと
電光
(
いなづま
)
よりも早かりき 二二—二四
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
罪人
(
つみびと
)
と名にも呼ばれむ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
焔はいづれも
濠
(
ほり
)
の喉を過ぎてすゝみ、いづれもひとりの
罪人
(
つみびと
)
を盜みてしかも
盜
(
ぬすみ
)
をあらはすことなかりき 四〇—四二
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
罪人
(
つみびと
)
と名にも呼ばれむ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
罪
常用漢字
小5
部首:⽹
13画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“罪”で始まる語句
罪
罪業
罪科
罪滅
罪障
罪悪
罪惡
罪咎
罪亡
罪深