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眼鼻立
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めはなだち
ふりがな文庫
“
眼鼻立
(
めはなだち
)” の例文
そうするとこれを聞いたこなたの
汚
(
きたな
)
い
衣服
(
なり
)
の少年は、その
眼鼻立
(
めはなだち
)
の悪く無い割には
無愛想
(
ぶあいそう
)
で
薄淋
(
うすさみ
)
しい顔に、いささか
冷笑
(
あざわら
)
うような
笑
(
わらい
)
を現わした。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
橘は、野の明るさの中では
一際
(
ひときわ
)
まばゆいような
眼鼻立
(
めはなだち
)
を見せていて、これが自分の娘であろうかと思われる位、見なれぬ美しさを表わしていた。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
眼鼻立
(
めはなだち
)
が又ステキなもので、汽船会社か、ビール会社のポスター
描
(
か
)
きが発見したら二三遍ぐらいトンボ返りを打つだろう。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
弁慶の小助が引合せてくれたのは、二十五六の
頑丈
(
がんじょう
)
な男で、色も黒く、
眼鼻立
(
めはなだち
)
も大きく、その上横肥りで、
武骨
(
ぶこつ
)
で、
全
(
まった
)
く女子供に好かれるたちの男ではありません。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その赤ん坊はまだ
眼鼻立
(
めはなだち
)
さえ
判明
(
はっきり
)
していなかった。頭には何時まで待っても
殆
(
ほと
)
んど毛らしい毛が生えて来なかった。公平な眼から見ると、どうしても一個の怪物であった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
アルビオンの温和の氣候が
創
(
つく
)
つたものゝ中でも嘗てない美しい
眼鼻立
(
めはなだち
)
、その
濕
(
しめ
)
つた風と
水氣
(
すゐき
)
を含んだ空が生み蔽うたものゝ中でも嘗てない
淨
(
きよ
)
らかな薔薇と、百合花の色が
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
そしてどちらかと
云
(
い
)
へば
面長
(
おもなが
)
で、
眼鼻立
(
めはなだち
)
のよく
整
(
ととの
)
った、
上品
(
じょうひん
)
な
面差
(
おもざし
)
の
方
(
ほう
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
二ツ三ツ
越
(
こえ
)
中脊
(
ちうぜい
)
中肉
(
ちうにく
)
にして
色
(
いろ
)
白
(
しろ
)
く
眼鼻立
(
めはなだち
)
揃
(
そろ
)
ひし美人ながら髮の毛の少し
薄
(
うす
)
きは
商賣上
(
しやうばいあが
)
りの者と
見
(
み
)
つ
然
(
さ
)
れ
共
(
ども
)
本甲
(
ほんかふ
)
の
櫛笄
(
くしかうがひ
)
を
差
(
さし
)
銀
(
ぎん
)
の
簪
(
かんざし
)
に付たる
珊瑚珠等
(
さんごじゆとう
)
いづれも金目の物なり衣類は
藍微塵
(
あゐみぢん
)
の
結城
(
ゆふき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
色の白い、
細面
(
ほそおもて
)
の、左の
眼
(
め
)
に白い曇りのあるやうな、しかし大体に
眼鼻立
(
めはなだち
)
の整つた、どちらかといへば美しい方の
容貌
(
ようぼう
)
の持主で、
紡績飛白
(
ぼうせきがすり
)
のやうな
綿衣
(
わたいれ
)
を着て紅いメレンスの帯を締めてゐました。
停車場の少女:――「近代異妖編」
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
髪の色も
眼鼻立
(
めはなだち
)
も甲板に立っている人は御互に
鮮
(
あざや
)
かな顔を見合せるほど船は近くなった。その時は全く美しかった。と思うと、船は今までよりも倍以上の速力を
鼓
(
こ
)
して
刹那
(
せつな
)
に近寄り始めた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは私の變則な
眼鼻立
(
めはなだち
)
を、彼の端正な古典型な型に
篏
(
は
)
めようとする程に、また私の變化に富む緑色の眼に、彼の眼の海のやうな藍色と莊重な光を與へようとすると同樣、不可能なことであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
と夜具を
奪
(
と
)
りにかかる
女房
(
にょうぼう
)
は、
身幹
(
せい
)
の少し高過ぎると、眼の
廻
(
まわ
)
りの
薄黒
(
うすぐろ
)
く顔の色一体に
冴
(
さ
)
えぬとは難なれど、
面長
(
おもなが
)
にて
眼鼻立
(
めはなだち
)
あしからず、
粧
(
つく
)
り立てなば
粋
(
いき
)
に見ゆべき三十前のまんざらでなき女なり。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
柴野は肩の張った色の黒い人であったが、
眼鼻立
(
めはなだち
)
からいうとむしろ立派な部類に属すべき男に違なかった。御縫さんはまたすらりとした
恰好
(
かっこう
)
の
好
(
い
)
い女で、顔は
面長
(
おもなが
)
の色白という出来であった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助の
父
(
ちゝ
)
には
一人
(
ひとり
)
の
兄
(
あに
)
があつた。
直記
(
なほき
)
と云つて、
父
(
ちゝ
)
とはたつた一つ違ひの
年上
(
としうへ
)
だが、
父
(
ちゝ
)
よりは
小柄
(
こがら
)
なうへに、
顔付
(
かほつき
)
眼鼻立
(
めはなだち
)
が非常に
似
(
に
)
てゐたものだから、知らない人には往々
双子
(
ふたご
)
と間違へられた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この若い細君がまだ
娘盛
(
むすめざかり
)
の五六年
前
(
ぜん
)
に、自分はすでにその声も
眼鼻立
(
めはなだち
)
も知っていたのではあるが、それほど親しく言葉を
換
(
か
)
わす機会もなかったので、こうして岡田夫人として改まって会って見ると
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
鼻
常用漢字
小3
部首:⿐
14画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“眼鼻”で始まる語句
眼鼻
眼鼻口