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真蒼
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まつさを
ふりがな文庫
“
真蒼
(
まつさを
)” の例文
旧字:
眞蒼
烈々
(
れつ/\
)
と
燃
(
も
)
える
暖炉
(
だんろ
)
のほてりで、
赤
(
あか
)
い
顔
(
かほ
)
の、
小刀
(
ナイフ
)
を
持
(
も
)
つたまゝ
頤杖
(
あごづゑ
)
をついて、
仰向
(
あふむ
)
いて、ひよいと
此方
(
こちら
)
を
向
(
む
)
いた
父
(
ちゝ
)
の
顔
(
かほ
)
が
真蒼
(
まつさを
)
に
成
(
な
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この時ふと、
戸外
(
そと
)
で犬の吠える声と、門を叩く音が聞えた。ヒーヴリャは急いで駈けだして行つたが、すぐに
真蒼
(
まつさを
)
な顔で引つ返して来た。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
東京神田の駿河台に大きな病院を持つてゐる広川
和
(
わ
)
一氏といふ医学博士がある。芸者の噂でもすると、顔を
真蒼
(
まつさを
)
にして怒り出すといふ、名代の
堅蔵
(
かたざう
)
である。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
尤も其日は大変な
好
(
い
)
い天気で、広い芝生の
上
(
うへ
)
にフロツクで立つてゐると、もう
夏
(
なつ
)
が
来
(
き
)
たといふ感じが、
肩
(
かた
)
から
脊中
(
せなか
)
へ掛けて
著
(
いちゞ
)
るしく
起
(
おこ
)
つた位、
空
(
そら
)
が
真蒼
(
まつさを
)
に
透
(
す
)
き
通
(
とほ
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はその書物のなかのその話を耳にいれたとき、私もまた何かさういふ罪を犯したことがあるやうな気がしてならなかつた。病身がちな私は、
屡々
(
しば/\
)
真蒼
(
まつさを
)
になつて、母に抱きついた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
しきりに問ひ詰めますから、豆小僧はとう/\
真蒼
(
まつさを
)
になつて泣き出しました。
豆小僧の冒険
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
はては空いつぱいに飛び廻る
真蒼
(
まつさを
)
な太陽の
幻覚
(
げんかく
)
。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「はい、
真蒼
(
まつさを
)
でゐらつしやいます」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
色
(
いろ
)
が
真蒼
(
まつさを
)
で、
目
(
め
)
も
血走
(
ちばし
)
り、
伸
(
の
)
びた
髪
(
かみ
)
が
額
(
ひたひ
)
に
被
(
かゝ
)
つて、
冠物
(
かぶりもの
)
なしに、
埃塗
(
ほこりまみ
)
れの
薄汚
(
うすよご
)
れた、
処々
(
ところ/″\
)
釦
(
ボタン
)
の
断
(
ちぎ
)
れた
背広
(
せびろ
)
を
被
(
き
)
て、
靴
(
くつ
)
足袋
(
たび
)
もない
素跣足
(
すはだし
)
で、
歩行
(
ある
)
くのに
蹌踉々々
(
よろ/\
)
する。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼は母と友人に送られて、頭に
氷嚢
(
ひようなう
)
をつけて入場したのであつたが、第一の課目を終へて出て来たときには、顔は
真蒼
(
まつさを
)
になつてゐた。そして近所の医者の手当を受けて自動車で帰つて来た。
花が咲く
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
小父
(
をぢ
)
さんが来る、
真蒼
(
まつさを
)
に、
脚
(
あし
)
も顫へて
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
寄
(
よ
)
らうとすると、
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
も
映
(
うつ
)
る、
褄
(
つま
)
も
映
(
うつ
)
る、
裳
(
もすそ
)
に
真蒼
(
まつさを
)
な
水
(
みづ
)
がある。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
“真”で始まる語句
真
真似
真面目
真実
真直
真中
真紅
真暗
真赤
真鍮