男女だんぢよ)” の例文
のおなじ火事くわじに、靈岸島れいがんじまは、かたりぐさにするのも痛々いた/\しくはゞかられるが、あはれ、今度こんど被服廠ひふくしやうあとで、男女だんぢよ死體したい伏重ふしかさなつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
河面かはづら対岸たいがんそらかゞや朝日あさひビールの広告くわうこくと、東武電車とうぶでんしや鉄橋てつけううへえず徃復わうふくする電車でんしや燈影ほかげてらされ、かしボートをわか男女だんぢよ姿すがたのみならず
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
最初さいしよ余等よら發掘はつくつした方面はうめんあたつて、ひとすう男女だんぢよがつして十二三にん大發掘だいはつくつをつゞけてるのを發見はつけんした。
日本に居て想像すると欧洲三がいんな風にして出稼ぎして居る男女だんぢよは大抵自堕落な人間の様だが、実際は反対に極めて真面目まじめな量見を持て働いて居る者が多い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ぼくいまもペンをつたまま、はるかにニユウヨオクのあるクラブに紅毛人こうもうじん男女だんぢよが七八にん、一わんの「しるこ」をすゝりながら、チヤアリ、チヤプリンの離婚問題りこんもんだいなんかをはなしてゐる光景くわうけい想像さうぞうしてゐる。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
……した水際みづぎは岩窟いはむろに、つたり、すわつたり、手拭てぬぐひあやにした男女だんぢよ裸身はだかがあらはれたかとおもふと、よこまどからはうまがのほりとかほす、うまやであらう。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
華奢きやしや男女だんぢよせはしない車馬も一切が潮染うしほぞめの様な濡色ぬれいろをしてその中に動く。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)