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うぶすな
ふりがな文庫
“
産土
(
うぶすな
)” の例文
見
(
み
)
るに
見兼
(
みか
)
ねて
私
(
わたくし
)
は
産土
(
うぶすな
)
の
神様
(
かみさま
)
に、
氏子
(
うじこ
)
の
一人
(
ひとり
)
が
斯
(
こ
)
んな
事情
(
こと
)
になって
居
(
お
)
りますから、
何
(
ど
)
うぞ
然
(
しか
)
るべく……と、お
願
(
ねが
)
いしてやりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
私はその前から植物が好きで、わが家の裏手にある
産土
(
うぶすな
)
神社のある山に登ってよく植物を採ったり、見たりしていたことを憶えている。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「新兵衛の奴もういけなくなったんだな。」と思いながらやって来ると、村の中央にある
産土
(
うぶすな
)
の
社
(
やしろ
)
もけそけそと寂しくなっている。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
後に思いあわせれば、これこそ、
産土
(
うぶすな
)
の導きか、尽きせぬ宿縁か、それとも天が不言のうち、彼の人生の名残を尽させたものだろうか。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遠くから通ずる本通りが二つあれば、その二筋はそこで十文字に横ぎり合い、そうでなければ村の
産土
(
うぶすな
)
の
社
(
やしろ
)
に
詣
(
まい
)
る路が、そこから入り込んでいる。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
なにいやがるんでえ。このでこぼこめがッ、おひざもとの
産土
(
うぶすな
)
さまが年に一度のお祭りをするっていうんじゃねえか。村の鎮守さまたあわけが違うぞ。足を
右門捕物帖:05 笛の秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
石上神宮が又曲者で、これもその近いころに征服された豪族の氏神の如くであり、大倭神社なるものも強力だった国ツ神、亡びた豪族の
産土
(
うぶすな
)
神の如くである。
安吾の新日本地理:01 安吾・伊勢神宮にゆく
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
私の村はこの広大な裾野の東南の端の方に、一は熊野社を一は大鷲社を氏神とする二氏族が、赤城明神を
産土
(
うぶすな
)
神と仰いで、安住の居を占めた猫の額程の土地である。
山と村
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
さきの家老
相馬志津之助
(
そうましづのすけ
)
、
伝役
(
もりやく
)
桑原萩之進
(
くわばらはぎのしん
)
、医者
菊川露斎
(
きくかわろさい
)
の三人がつきそい、
矢田北口
(
やたきたぐち
)
というところにある
産土
(
うぶすな
)
さまへ御参詣になりましたが、お神楽の太鼓におおどろきになったものか
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
二十一日の
暁
(
あかつき
)
になつても、大風雨は
止
(
や
)
みさうな
気色
(
けしき
)
もない。平八郎
父子
(
ふし
)
と瀬田とは、渡辺の
死骸
(
しがい
)
を
跡
(
あと
)
に残して、
産土
(
うぶすな
)
の
社
(
やしろ
)
を出た。土地の百姓が死骸を見出して
訴
(
うつた
)
へたのは、二十二日の事であつた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
産土
(
うぶすな
)
の印旛の歌よおのづから荻吹く風のさやぎしこもれり
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
産土
(
うぶすな
)
の祭は暮れぬ
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
産土
(
うぶすな
)
の神に
離
(
さか
)
りて
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
これから
俺
(
わし
)
の
申
(
もう
)
すところをきいて、十
分
(
ぶん
)
に
修行
(
しゅぎょう
)
を
積
(
つ
)
まねばならぬ。
俺
(
わし
)
は
産土
(
うぶすな
)
の
神
(
かみ
)
から
遣
(
つか
)
わされた
汝
(
そち
)
の
指導者
(
しどうしゃ
)
である、と
申
(
もう
)
しきかされた。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「いや十年ぶりで来て見ると、村のようすもだいぶ変わったようだね。この
産土
(
うぶすな
)
の松は何年ごろ切ってしまったのだい、いやもうどうも。」
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
たとえいかなる
臥薪嘗胆
(
がしんしょうたん
)
の苦難をしのぶとも、八幡大菩薩、
産土
(
うぶすな
)
の神も照覧あれ、臣等の一命に代えても、かならず官兵衛様の身を救い出してみせる
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その一つは、村で
産土
(
うぶすな
)
とも、また氏神ともいうお社がきゅうに大きくなってきて、これをお祭り申す人員が増加し、なかまがいくぶんか
雑駁
(
ざっぱく
)
になったことである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
なかにはぼうっとなった女の子も出るといった騒ぎで、それにしては
産土
(
うぶすな
)
さまもとんだ氏子をおこしらえになったものですが、しかし本人のむっつり右門は、いうまでもなくもう看板どおりです。
右門捕物帖:05 笛の秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
やう/\
産土
(
うぶすな
)
の
社
(
やしろ
)
を見付けて
駈
(
か
)
け込んでゐると、暫く物を案じてゐた渡辺が、突然もう此先きは歩けさうにないから、先生の
手足纏
(
てあしまとひ
)
にならぬやうにすると云つて、手早く
脇差
(
わきざし
)
を抜いて腹に突き立てた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
産土
(
うぶすな
)
よこの山河をかくばかり
直
(
ただ
)
にし見ずて我恋ひにけり
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
イヤしかしそなたの
質問
(
とい
)
は
大分
(
だいぶん
)
俺
(
わし
)
の
領分外
(
りょうぶんがい
)
の
事柄
(
ことがら
)
に
亘
(
わた
)
って
来
(
き
)
た。
産土
(
うぶすな
)
のことなら、
俺
(
わし
)
よりもそなたの
指導役
(
しどうやく
)
の
方
(
ほう
)
が
詳
(
くわ
)
しいであろう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
美しい詩のような
産土
(
うぶすな
)
が、その新道のために汚され、おびやかされて見る影もなくなっているではないか。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
流水は、正成の
産土
(
うぶすな
)
の地、
水分
(
みくまり
)
を象徴しており、半花の菊を
泛
(
う
)
かべた図は、天皇軍をあらわしている。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
村の名の鬼沢と
産土
(
うぶすな
)
の社の名の鬼ノ宮とは果して今の口碑の結果であるか、はた原因であるかを決しかねるが後々までも村に怪力の人が輩出したといい、或いはまた大人が
鎮守
(
ちんじゅ
)
を約諾して
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
産土
(
うぶすな
)
の神も
照覧
(
しょうらん
)
あれ
願文
(
がんもん
)
の誓いはきっとつらぬいてみせよう。——ここにただ尊氏をさえ滅ぼしてしまえばだ。道誉一人の存否などは問題でない。どうにでもなる。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
村にただ一つある
産土
(
うぶすな
)
の神の御名さえ知らず、ただお宮といい
明神
(
みょうじん
)
さんといってすませ、その他の神々でも山で祭るから山の神、泉のほとりに祭ればカワの神またはオスズ様、正月に祭る神を正月様
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ただそれしか思わせない
余燼
(
よじん
)
のけむりを描いていた。そして新たな“時の人”新田義貞の名が、焦土鎌倉を
産土
(
うぶすな
)
として、はや次代の人心に、すぐ大きく
映
(
うつ
)
りはじめている——。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“産土(
産土神
)”の解説
産土神(うぶすながみ、うぶしなのかみ、うぶのかみ)は、日本の神の区分のひとつ。単に産土ともいう。
(出典:Wikipedia)
産
常用漢字
小4
部首:⽣
11画
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
“産土”で始まる語句
産土神
産土神様
産土八幡
産土参
産土様