琵琶びは)” の例文
『これ、武村兵曹たけむらへいそう足下おまへはなか/\薩摩琵琶さつまびはうまさうな、一曲いつきよくやらんか、やる! よした。』とかたはら水兵すいへいめいじて、自分じぶんかね御持參ごぢさん琵琶びは取寄とりよせた。
緩端えんばた平伏へいふくしたる齋藤茂頼、齡七十に近けれども、猶ほ矍鑠くわくしやくとしてすこやかなる老武者おいむしや、右の鬢先より頬をかすめたる向疵むかふきずに、栗毛くりげ琵琶びはもゝ叩いて物語りし昔の武功忍ばれ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ゴオテイエが娘の支那シナは既に云ひぬ。José Maria de Heredia が日本もまた別乾坤べつけんこんなり。簾裡れんりの美人琵琶びはたんじて鉄衣の勇士のきたるを待つ。景情もとより日本ならざるに非ず。
何となく琴曲をおもふ時に薩摩さつま琵琶びはを聞くが如きの感あるなれ。
済製場さいせいばの屋根にブラ下つた琵琶びはは鳴るとしも想へぬ
行く春やおもたき琵琶びはの抱き心
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
あれ、琵琶びはのおと、にはかにも
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
琵琶びはかなしげに眠りゐて
薄紗の帳 (旧字旧仮名) / ステファヌ・マラルメ(著)
『よろしい、まいりませう。』と琵琶びはてゝ、一番いちばんたゝかつたが、たちまちウンとねぢたをされた。
帛を裂く琵琶びはの流れや秋の声
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
それとはずに琵琶びはを弾く。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
年少ねんせう士官しくわん老功らうこう水兵等すいへいらは『これは面白おもしろい。』と十五サンチ速射砲そくしやほうのほとり、後部艦橋こうぶかんけうもとみゝます、兵曹へいそう此處こゝぞと琵琶びはおつり、翩飜へんぽんひるがへ艦尾かんび帝國軍艦旗ていこくぐんかんきしたひざんで、シヤシヤン
初心うぶな涙の琵琶びはのおと。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)