煉瓦れんぐわ)” の例文
はしがペンキぬりになつて、黒塀くろべい煉瓦れんぐわかはると、かはづ船蟲ふなむし、そんなものは、不殘のこらず石灰いしばひころされよう。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
本所ほんじよ警察署もいつのにかコンクリイトの建物に変つてゐる。僕の記憶にある警察署は古い赤煉瓦れんぐわの建物だつた。僕はこの警察署長の息子むすこも僕の友だちだつたのを覚えてゐる。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
こはらしくないばアさんだね、新宿しんじゆくばアさんとは大違おほちがひだ。婆「何処どこ貴方あなたじつ立派りつぱりましたよ。岩「向うのかすかに遠いところに赤い煉瓦れんぐわがある、あれはなんだえ。婆「陸軍省りくぐんせうでございます。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
婿むこの松方何とか云ふ奴の為に煉瓦れんぐわの建築をはじめたのだ、僕は其前を通るたびに、オヽ国民の膏血かうけつわたくしせる赤き煉瓦の家よ、汝が其いしずえの一つだにのこらざる時のきたることを思へよと言つてのろつてやるンだ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
其側そのそば小使こづかひや、看護婦かんごふくつ煉瓦れんぐわゆか音高おとたか踏鳴ふみならして往來わうらいし、病院服びやうゐんふくてゐるせた患者等くわんじやらとほつたり、死人しにんかつす、不潔物ふけつぶつれたうつはをもつてとほる。子供こどもさけぶ、通風とほりかぜはする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
お湯は今なほき出てをります。そして昔の板小屋は、今は立派な煉瓦れんぐわづくりに変りました。太郎さんの安らかな寝息を聞きながら、おばあさんはなほしばらく障子の月かげをながめてをりました。
狐に化された話 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
玄関は白い瀬戸の煉瓦れんぐわで組んで、実に立派なもんです。
注文の多い料理店 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
くらめるほとり、色古りし煉瓦れんぐわの壁に射かへせば
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
煉瓦れんぐわ穹窿アアチ。人はこの紛雜ふんざつうちに埋れて
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
うすらに青む水の色、あるは煉瓦れんぐわ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
壁の煉瓦れんぐわのもとをく……
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そこ、ここに煉瓦れんぐわ石灰いしばひ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あか煉瓦れんぐわ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)