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法被
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はつぴ
ふりがな文庫
“
法被
(
はつぴ
)” の例文
法被
(
はつぴ
)
を
着
(
き
)
た
寺
(
てら
)
の
供
(
とも
)
が
棺桶
(
くわんをけ
)
を
卷
(
ま
)
いた
半反
(
はんだん
)
の
白木綿
(
しろもめん
)
をとつて
挾箱
(
はさんばこ
)
に
入
(
いれ
)
た。
軈
(
やが
)
て
棺桶
(
くわんをけ
)
は
荒繩
(
あらなは
)
でさげて
其
(
そ
)
の
赤
(
あか
)
い
土
(
つち
)
の
底
(
そこ
)
に
踏
(
ふ
)
みつけられた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
わたくしは其時揃ひの
法被
(
はつぴ
)
をきた馬丁の一人が、わたくしの家の生垣の裾に茂つてゐた笹の葉を抜取つて馬に
啣
(
はま
)
せてゐたのと
冬の夜がたり
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
言霊
(
ことだま
)
の
幸
(
さち
)
はふ日本語では、「大工」といつて、朝から晩から金鎚を叩いて暮してゐる、紺の
法被
(
はつぴ
)
に鉢巻をした男の事である。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さうして
下男
(
げなん
)
には、
菱形
(
ひしがた
)
の四
角
(
かく
)
へ『
多
(
た
)
』の
字
(
じ
)
の
合印
(
あひじる
)
しの
附
(
つ
)
いた
法被
(
はつぴ
)
を
着
(
き
)
せてくれた。
兩掛
(
りやうが
)
けの一
方
(
ぱう
)
には
藥箱
(
くすりばこ
)
を
納
(
をさ
)
め、
他
(
た
)
の一
方
(
ぱう
)
には
土産物
(
みやげもの
)
が
入
(
はひ
)
つてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
私は下足番として、浅黄の染抜の
法被
(
はつぴ
)
の上に白い前垂をかけて、入口の隅に小さな
脚立
(
きやたつ
)
に腰掛けて客を待つて居た。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
▼ もっと見る
大審院
(
だいしんゐん
)
の控所はなかなかの混雑である。中老、壮年、年少、各階級の弁護士が十七、八人、青木が所謂「神仏混同の
法被
(
はつぴ
)
をつけて、馬の毛の
冠
(
かんむり
)
をのつけて」
畜生道
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
湯棺がをはると、今度は
剃髪
(
ていはつ
)
が始まつた。
法被
(
はつぴ
)
を着た葬儀屋の男が、
剃刀
(
かみそり
)
を手にして、頭の髪をそりはじめた。髪は危篤に
陥
(
おちい
)
る前に兄の命令で短く刈られてあつた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
お前は
法被
(
はつぴ
)
を馬に
被
(
かぶ
)
せて、その下で水鐡砲の水を耳に注ぎ込み、
思惑
(
おもわく
)
通り氣違ひのやうになつた馬から、相澤樣が落ちるところを
狙
(
ねら
)
つて、
豫
(
かね
)
て用意した文箱を摺り換へたらう。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私は奇観をそこねないために
法被
(
はつぴ
)
で出かけることにする。
雑文的雑文
(新字新仮名)
/
伊丹万作
(著)
私は襟と背中に屋号を白く染抜いた浅黄色の
法被
(
はつぴ
)
の上に、白い胸当をかけて、店頭に牛肉を切つて居る若衆姿の自分や、また既に大きな料理屋の主人になりすまして
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
よしんば
燕
(
つばくろ
)
が紺の
法被
(
はつぴ
)
を脱ぐ折はあらうとも、福田博士にそんな事はあるまいと思はれた名代の木綿羽織である。だが、実際博士はそれを脱いで、皺くちやな背広を
被
(
き
)
てゐた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
黒助はさう言ひ乍ら、
法被
(
はつぴ
)
を脱いで、馬の首に冠せ、その下から手を入れて
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
遠
(
とほ
)
く
離
(
はな
)
れた
寺
(
てら
)
からは
住職
(
ぢうしよく
)
と
小坊主
(
こばうず
)
とが、
褪
(
さ
)
めた
萠黄
(
もえぎ
)
の
法被
(
はつぴ
)
を
着
(
き
)
た
供
(
とも
)
一人
(
ひとり
)
連
(
つ
)
れて
挾箱
(
はさみばこ
)
を
擔
(
かつ
)
がせて
歩
(
ある
)
いて
來
(
き
)
た。
小坊主
(
こばうず
)
は
直
(
すぐ
)
に
棺桶
(
くわんをけ
)
の
葢
(
ふた
)
をとつて
白
(
しろ
)
い
木綿
(
もめん
)
を
捲
(
ま
)
くつて
窶
(
やつ
)
れた
頬
(
ほゝ
)
へ
剃刀
(
かみそり
)
を
一寸
(
ちよつと
)
當
(
あ
)
てた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、そんな事で
宥
(
なだ
)
められる『
東雲
(
しのゝめ
)
』でなかつたのか、それともすれ違ひさま、梯子の先が馬の尻に觸つたのか、馬はパツと
棹立
(
さをだ
)
ちになると、
馬丁
(
べつたう
)
の
法被
(
はつぴ
)
をかなぐり捨てゝ、
奔流
(
ほんりゆう
)
の如く元の道へ。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
紺の
法被
(
はつぴ
)
に白ぱつち
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“法被”の意味
《名詞》
(context、clothing)日本の伝統衣装で、祭の際などに着用する。職人などが着用する印半纏。
(出典:Wiktionary)
“法被”の解説
法被(はっぴ)とは、日本の伝統衣装で、祭などの際に着用し、また、職人などが着用する印半纏のことである。半被とも表記する。
(出典:Wikipedia)
法
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
被
常用漢字
中学
部首:⾐
10画
“法被”で始まる語句
法被姿
法被半切