毒舌どくぜつ)” の例文
くしとおもへど流石さすが義理ぎりらきものかや、母親はゝおやかげの毒舌どくぜつをかくしてかぜかぬやうに小抱卷こかいまきなにくれとまくらまであてがひて、明日あす支度したくのむしり田作ごまめ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御男子四人は四方へながされ玉ふ、是も時平が毒舌どくぜつによれり。ひめたちは都にとゞまりをさなきはふたり筑紫へしたがへ給へり。
「薬学者連中が毒瓦斯にやられるなんて、ちょっと妙な話じゃね」博士は、毒舌どくぜつろうするというのでもなく、これだけのことをスラスラと言ってのけた。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すると、宗助そうすけにはそれが、眞心まごゝろあるさいくちりて、自分じぶん飜弄ほんろうする運命うんめい毒舌どくぜつごとくにかんぜられた。宗助そうすけはさう場合ばあひにはなんにもこたへずにたゞ苦笑くせうするだけであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
蛾次郎がじろう争闘力そうとうりょくは、いつも、このうでよりは口である。度胸どきょうよりはしたである。三じゃくつるぎよりは三ずん毒舌どくぜつ、よく身をふせぎてき翻弄ほんろうし、ときにはたたかわずしてつことがある。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊庭は毒舌どくぜつを吐きながら、煙草を出してくはへると、マッチを探す様子で、そこいらにある、ラジオや大きな枕に皮肉な笑ひを浮べた。ゆき子は伊庭の表情を見て胸にかつと燃え立つものを感じた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
次にルーシンは、皮肉屋で、露骨ろこつ毒舌どくぜつをふるう医者だが、彼女というものを一番よく見ており、また誰より深く彼女を愛してもいながら、そのくせ陰でも面前でも、彼女の悪口ばかり言っていた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
御男子四人は四方へながされ玉ふ、是も時平が毒舌どくぜつによれり。ひめたちは都にとゞまりをさなきはふたり筑紫へしたがへ給へり。
この調子では今に警視庁は都下に起る毎日百人ずつの死者の枕頭ちんとうに立って殺人審問をしなければ居られなくなるだろうなどと毒舌どくぜつふるい、一杯かつがれた腹癒はらいせをした。
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あのんだかゝさんのかほたい、と御新造ごしんぞれいつて毒舌どくぜつをみがきぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あざみ毒舌どくぜつ
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
モレロは毒舌どくぜつをふるう。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)