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欝
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うつ
ふりがな文庫
“
欝
(
うつ
)” の例文
外には何物をも
容
(
い
)
れる余地の
無
(
なか
)
つたことを——皆さんが
各々
(
てんでに
)
理想の
男
(
ひと
)
を描いて泣いたり笑つたり、
欝
(
うつ
)
したりして騒いで居なさる時にでも
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ただの
町獣医
(
まちじゅうい
)
の
妻
(
つま
)
では
親類
(
しんるい
)
に
会
(
あ
)
わせる顔もないと思うから、どう考えてもあきらめられない。それであけても
暮
(
く
)
れても
欝
(
うつ
)
うつたのしまない。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
踊る者があり、歌う者があれば、また、一
隅
(
ぐう
)
では、
怒色
(
どしょく
)
をなして、酒に、
欝
(
うつ
)
をいわせている者があるのも、人間講とすれば、やむをえない。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は草を敷いて身を横たえ、
数百年
(
すひゃくねん
)
斧
(
おの
)
の入れたことのない
欝
(
うつ
)
たる深林の上を見越しに、近郊の田園を望んで楽しんだことも幾度であるかわかりませんほどでした。
春の鳥
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
お
呼
(
よび
)
なされて
息子
(
せがれ
)
をば
責
(
せめ
)
て花見か芝居へ
抔
(
など
)
遣て
欝
(
うつ
)
をば
晴
(
はら
)
させてと
仰
(
おほせ
)
が有て候へば先花見を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
但だ予は
此
(
か
)
くの如くに神を見、而してこれより
延
(
ひ
)
いて天地の間の何物を以てしても換へがたき光栄無上なる「吾れは神の子なり」てふ意識の
欝
(
うつ
)
として
衷
(
うち
)
より湧き出づるを覚えたり。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
この句は
小商人
(
こあきんど
)
の旅にて、わろき酒など飲みて
欝
(
うつ
)
を晴さんとするに、なかなか胸につかえたりといふなり。いづれも秋の淋しき処より案じ出だせるなり。この句露とある故秋季なり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
一見人工を
加
(
くわ
)
へたる文珠菩薩に
髣髴
(
はうふつ
)
せり、
傍
(
かたはら
)
に一大古松あり、
欝
(
うつ
)
として此文珠
岩
(
いわ
)
を
被
(
お
)
へり、丘を
攀登
(
ばんと
)
して岩下に
近
(
ちか
)
づかんとするも
嶮崖
(
けんがい
)
頗甚し、小西君
及
(
および
)
余の二人
奮発
(
ふんぱつ
)
一番衆に先つて
上
(
のぼ
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
寂
(
さ
)
びたる
櫓
(
ろ
)
の音に和し、陰惨たる海風に散じ、
忡々
(
ちゆうちゆう
)
たる憂心を誘ふて
犇々
(
ひしひし
)
として我が頭上に圧し来るや、郷情
欝
(
うつ
)
として
迢遞悲腸
(
てうていひちやう
)
ために寸断せらるゝを覚えて、惨々たる血涙せきもあへず
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
贈太政大臣信長の婿たる此の忠三郎がよし無き
田舎武士
(
いなかざむらい
)
の
我武者
(
がむしゃ
)
共をも、事と品によりては相手にせねばならぬ、おもしろからぬ
運命
(
はめ
)
に立至ったが
忌々
(
いまいま
)
しい、と胸中の
欝
(
うつ
)
をしめやかに
洩
(
も
)
らした。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
え、
眞
(
ほ
)
んの少しばかしね。
何者
(
なあに
)
、飮まなけア飮まないでも濟むんですけども、氣が
欝
(
うつ
)
した時なんか一ツ
猪口
(
ちよこ
)
戴
(
いただ
)
くてえと、馬鹿に
好
(
い
)
い氣持になツて了ふもんですから、つい戴く氣になツて了ふのですの。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
欝
部首:⽊
25画
“欝”を含む語句
憂欝
陰欝
蓊欝
欝金香
欝陶
欝々
欝蒼
悒欝
欝結
欝憤
沈欝
欝屈
欝積
幽欝
欝葱
気欝
欝憂
憂欝症
憂欝病
欝気
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