)” の例文
因テ二、三ノ従游スルモノト相謀あいはかリ諸家ノ麗藻ヲ選ンデシテコレヲ伝ヘントシタリ。たまたま同人集ノ挙アリ遷延シテ果サズ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼の高厳荘重なるミルトンまでも一度は此轍このてつふまんとし、嶢※げうかく豪逸なるカーライルさへ死後に遺筆をするに至りて、合歓団欒だんらんならざりし醜を発見せられぬ。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
孝孺こうじゅしゅうは、そのひと天子のにくむところ、一世のむところとなりしをもって、当時絶滅に帰し、歿後ぼつご六十年にして臨海りんかい趙洪ちょうこうに附せしより、またようやく世に伝わるを得たり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
此問題はすこぶる困難である。説文に拠れば楸はである。爾雅を検すれば、たうくわいくわいしう等が皆相類したものらしく、此数者は専門家でなくては辨識し難い。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
史籍のに上るものその種はなはだ尠しとせず。人物論の新聞雑誌に顕はるるほとんど虚日なし。田口氏の『史海』は学生の机上に横行しその発売高ははるかに経済雑誌を超越すと聞く。
史論の流行 (新字旧仮名) / 津田左右吉(著)
よつ其駁雑そのはくざつけづり、校訂かうてい清書せいしよし、豚児とんじ京水にゑがゝしめしもの三巻、書賈しよかこひおうじ老人につげゆるもつてしきしに、発販はつはん一挙いつきよして七百余部よぶひさげり。これより書肆しよし後編こうへんふ。
よつ其駁雑そのはくざつけづり、校訂かうてい清書せいしよし、豚児とんじ京水にゑがゝしめしもの三巻、書賈しよかこひおうじ老人につげゆるもつてしきしに、発販はつはん一挙いつきよして七百余部よぶひさげり。これより書肆しよし後編こうへんふ。
のぼさんと欲せしこと、一日に非ざりしも、南船北馬暖席にいとまなく、かつ二雪霜の間に集積せるところは、尨然ぼうぜん紛雑ふんざつし容易に整頓すべからずして、自ら慚愧ざんきせざるを得ざるものあり。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
大正十三年九月『麻布襍記あざぶざっき』の一書をするに当り、再びこの小篇『雨瀟瀟』を取りてその巻初に掲げぬ。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
開封府かいほうふに居らしめ、第六子てい王とし、武昌ぶしょうに居らしめ、第七子せい王とし、青州府せいしゅうふに居らしめ、第八子を封じてたん王とし、長沙ちょうさき、第九子ちょう王とせしが、は三歳にしてしょう
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ここクソノ機宜ヲ詳ニシソノ形勢ヲことごとクス。然レバ則海防ノ策コノ篇ヨリ善キハシ。予乃チ抄シテコレヲニ付シ題シテ『聖武記採要』トイヒ以テ世ニ問フ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
富メリトイフベシ。今茲こんじ乙巳余鄙作ひさく『詠物詩』ヲ再刊スルノ挙アリ。すなわち上人ノ詩ノもっとモ傑スル者百有余篇ヲ採リ、マサニ併セテコレヲセントス。集中ニハ花ニ月ニ唱和シタリシ作十ノ六、七ニ居ル。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)