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かくとう
ふりがな文庫
“
格闘
(
かくとう
)” の例文
その景色が素戔嗚には、不思議に感じるくらい平和に見えた。それだけまた今までの
格闘
(
かくとう
)
が、夢のような気さえしないではなかった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二つのたましいは、同じ肉体の中で、たえず
格闘
(
かくとう
)
をつづけているんだ。だから名津子さんが、たえず苦しみ、好きなことを口走るわけだ
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたしはカピがそうして、いやいやわたしの
命令
(
めいれい
)
に
従
(
したが
)
いながらも、ゼルビノとの
格闘
(
かくとう
)
にわざと負けてやったことがわかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
かれの
狡獪
(
こうかい
)
なそら
脅
(
おど
)
しは
効果
(
こうか
)
がなかった。
火縄
(
ひなわ
)
はいまの
格闘
(
かくとう
)
でふみけされてしまったので、
筒口
(
つつぐち
)
をむけてもにわかの役には立たないのである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見ればまさしくドノバンが地上に倒れ、
赤手
(
せきしゅ
)
をふるって
格闘
(
かくとう
)
している。左のほうの木陰に寄ってイルコックが、銃をかまえてねらいをつけている。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
今まで聞こえていた物音は自分の
空耳
(
そらみみ
)
であったのか、あれほどの
格闘
(
かくとう
)
が俄かにひっそりと鎮まる筈がない。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして、ねじあっているうちに、ふたりいっしょにたおれ、くんずほぐれつの
格闘
(
かくとう
)
になりました。
奇面城の秘密
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
わしは
白昼
(
はくちゅう
)
に見たのだから。それは無数の霊の空中に
格闘
(
かくとう
)
する恐ろしい光景であった。わしは武器の
鏗鏘
(
こうそう
)
として鳴る音を空中に聞いた。そのあるものは
為義
(
ためよし
)
のようであった。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
昔、
朝廷
(
ちょうてい
)
では毎年七月に
相撲
(
すもう
)
の
節会
(
せちえ
)
が
催
(
もよお
)
された。日本全国から、代表的な力士を
召
(
め
)
された。昔の
角力
(
すもう
)
は、打つ
蹴
(
け
)
る投げるといったように、ほとんど
格闘
(
かくとう
)
に近い乱暴なものであった。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
たちまち
格闘
(
かくとう
)
らしくなり、やがてずんずんガドルフの頭の上にやって来て、二人の大きな男が、組み合ったりほぐれたり、けり合ったり
撲
(
なぐ
)
り合ったり、烈しく烈しく
叫
(
さけ
)
んで
現
(
あら
)
われました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
署長
(
しょちょう
)
は起きあがったが、顔をしかめて、また、へなへなとすわった。そこへ、
透明人間
(
とうめいにんげん
)
との
格闘
(
かくとう
)
で
傷
(
きず
)
だからけの顔となった
博士
(
はくし
)
が、ふらふらになって
階段
(
かいだん
)
を降りてきて、くやしそうに言った。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
狼群
(
ろうぐん
)
と牛の
格闘
(
かくとう
)
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
それだけになお、この戦いは切っ先から火を降らし、槍を折り太刀をくだき、まさに、肉親に怒る肉親の
格闘
(
かくとう
)
のごとき、凄まじいものを現出した。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを発見した夜警中の
守衛
(
しゅえい
)
は単身彼等を
逮捕
(
たいほ
)
しようとした。ところが
烈
(
はげ
)
しい
格闘
(
かくとう
)
の末、あべこべに海へ
抛
(
ほう
)
りこまれた。守衛は
濡
(
ぬ
)
れ
鼠
(
ねずみ
)
になりながら、やっと岸へ
這
(
は
)
い上った。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
また、ある探検隊員は月世界で行方不明になったが、さいごに彼がいた地点では
格闘
(
かくとう
)
したあとが残っている。またそこに落ちていた物がわれわれ人類の作ったものではないと思われる。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けとばす、つきとばす、すごい
格闘
(
かくとう
)
がはじまった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
このときおそろしい犬の
格闘
(
かくとう
)
が始まった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
と云いながら、壁の
周
(
まわ
)
りを走り歩いた。激しい
格闘
(
かくとう
)
がなお続いた。信雄は、手に白刃を提げながら狼狽して
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
池がこの
旱魃
(
かんばつ
)
で
乾上
(
ひあが
)
って沼みたいになりかかっているところがあるんです。その沼へ踏みこもうという土の
柔
(
やわらか
)
いところに、
格闘
(
かくとう
)
の
痕
(
あと
)
らしいものがあるんです。靴跡が
入
(
い
)
り
乱
(
みだ
)
れています。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
チユウヤの妻は、その
間
(
あひだ
)
に、
格闘
(
かくとう
)
の音を聞いて、早くも捕手の向つたことをさとり、夫の重要書類を火の中に投げ込んだ。その書類には、陰謀の一味たる貴族などの名前も
載
(
の
)
つてゐたのである。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
の烈しい
格闘
(
かくとう
)
が——それは戦闘というよりは死力の噛みあいとなって——ここにも、ひと渦、巻き起った。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二宮君と三木君もやって来たので、三人して、猫と鼠の
格闘
(
かくとう
)
でめちゃめちゃになった装置の
復旧
(
ふっきゅう
)
を手つだった。この仕事は、一日では終らなかった。あと四五日はかかるであろうと思われた。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鹿之介は川へ飛び入ったが、かねて
謀
(
はか
)
っていたことなので、岸から船中から投げ槍を下し、また相継いで川へ飛び込んで
格闘
(
かくとう
)
し、ついにその
首級
(
しるし
)
を挙げてしまった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
26
格闘
(
かくとう
)
火星兵団
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
法師野
(
ほうしの
)
にいる
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
のところへかけつけようとしたが、ふと気がつくと、いまの
格闘
(
かくとう
)
で、さっき
蛾次郎
(
がじろう
)
からせしめた
小判
(
こばん
)
が、あたりに
山吹
(
やまぶき
)
の
落花
(
らっか
)
となっているので
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、長堤一里の間、五十間おきには、番小屋があり、赤々とかがりを
焚
(
た
)
いていたので、たちまち番兵が駈けつけ、
格闘
(
かくとう
)
のすえ、一名は捕えられ、一名はついに逃げてしまった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まったく人まぜをせぬ
格闘
(
かくとう
)
がつづいた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“格闘”の意味
《名詞》
格 闘(かくとう、「挌闘」の「同音の漢字による書きかえ」)
組み合って闘うこと。
困難な問題に取り組むこと。
(出典:Wiktionary)
格
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
闘
常用漢字
中学
部首:⾨
18画
“格”で始まる語句
格子
格子戸
格別
格好
格
格子縞
格天井
格子窓
格言
格納庫