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暴風雨
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ばうふうう
暴風雨の
年から、ばつたり
來なく
成つた。それが、
今年、しかもあの
大地震の
前の
日の
暮方に、
空を
波のやうに
群れて
渡りついた。
今では
再び、もとの
通り
梢も
高し、
茂つて
居る。
其の
暴風雨の
前、
二三年引續いて、
兩方の
樹へ
無數の
椋鳥が
群れて
來た。
警備隊から、
驚破と
駈つけた
兵員達は、
外套も
被なかつたのが
多いさうである。
危險を
冒して、あの
暴風雨の
中を、
電柱を
攀ぢて、
消しとめたのであると
聞いた。
社にお
約束の
期限はせまるし、……
實は
十五夜の
前の
晩あたり、
仕事にかゝらうと
思つたのである。
所が、
朝からの
吹き
降りで、
日が
暮れると
警報の
出た
暴風雨である。
その
前夜のあの
暴風雨をわすれたやうに、
朝から
晴れ/″\とした、お
天氣模樣で、
辻へ
立つて
日を
禮したほどである。おそろしき
大地震、
大火の
爲に、
大都は
半、
阿鼻焦土となんぬ。
此のぽぷらは、
七八年前の、あの
凄じい
暴風雨の
時、われ/\を
驚かした。
夜があけると
忽ち
見えなく
成つた。が、
屋根の
上を
消えたので、
實は
幹の
半ばから
折れたのであつた。のびるのが
早い。