断然だんぜん)” の例文
旧字:斷然
真実しんじつ事実じじつ実際じっさい、まったく、断然だんぜん俄然がぜん……ナニ、そんなに力に入れなくてもよろしい、このお蓮様、ほんとに伊賀の暴れン坊にまいっているんだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
わずか収入しゅうにゅうはは給養きゅうようにもきょうせねばならず、かれついにこの生活せいかつにはれず、断然だんぜん大学だいがくって、古郷こきょうかえった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
だから最愛の情人であるチェリーの切なるいではあったが、バットを与えることを断然だんぜんこばんだわけだった。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
俗にいう武士の風上かざかみにも置かれぬとはすなわちわが一身いっしんの事なり、後世子孫これを再演するなかれとの意を示して、断然だんぜん政府の寵遇ちょうぐうを辞し、官爵かんしゃく利禄りろくなげう
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
或るものはあめれてち出立すべしと言ひしも、予等の予定よていは最初より風雨に暴露ぼうろせらるる十日間にわたるもあへいとはざるの决心なるを以て、断然だんぜんあめおかして進行しんかうすることとはなれり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
すなわち徳川家が七十万石の新封しんぽうを得てわずかにそのまつりを存したるの日は勝氏が断然だんぜん処決しょけつすべきの時機じきなりしに、しかるにその決断ここに出でず、あたかも主家を解散かいさんしたるその功を持参金じさんきんにして
「いえ、それには及びません」大江山捜査課長は、泣きだしたいような気持をこらえて、断然だんぜん拒絶きょぜつした。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これまたその功名のあたいを損ずるところのものにして、要するに二氏の富貴こそその身の功名をむなしうするの媒介ばいかいなれば、今なおおそからず、二氏共に断然だんぜん世をのがれて維新いしん以来の非をあらた
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私はもうすわっても立っても居られなかった。それはミチ子をめぐる彼と私との暗闘あんとうが最後的場面へほうり出されたのだ。断然だんぜんたる敵意であった。砲弾のような悪意だった。
地獄街道 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だがし、この消耗が恢復せず、更に悪化するようなら、断然だんぜん流産をさせて置く方がよろしい。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ことに、東京好みのいきな鼻緒は断然だんぜんこの花川戸でできるものに限られていた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
チェリーはこの頃、断然だんぜんナンバー・ワンだよ。君江も居るには居るが昔日せきじつおもかげしさ。しかし温和おとなしくなった。温和しいといえば、あの事件からこっち、不思議に誰も彼もが温和しくなったぞ。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)