數十すうじふ)” の例文
新字:数十
みゝかたむけると、何處いづくともなく鼕々とう/\なみおときこゆるのは、この削壁かべそとは、怒濤どとう逆卷さかま荒海あらうみで、此處こゝたしか海底かいてい數十すうじふしやくそこであらう。
たう開元年中かいげんねんちうせいあひだ劫賊こふぞくあり。近頃ちかごろ不景氣ふけいきだ、と徒黨とたう十餘輩じふよはいかたらうて盛唐縣せいたうけん塚原つかはらいたり、數十すうじふつかあばきて金銀寶玉きんぎんはうぎよく掠取かすめとる。つかなかに、ときひと白茅冢はくばうちようぶものあり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
禪師ぜんじられたるくび我手わがて張子はりこめんごとさゝげて、チヨンと、わけもなしにうなじのよきところせて、大手おほでひろげ、ぐる數十すうじふぞくうてすこやかなることわしごとし。ついきずえてせずとふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これ普通ふつう塲所ばしよなら、かゝる死地しちちても、鐵車てつしやをば此處こゝ打棄うちすてゝ、そのだけまぬが工夫くふういでもないが、千山せんざん萬峰ばんぽう奧深おくふかく、數十里すうじふり四方しほうまつた猛獸まうじう毒蛇どくじや巣窟さうくつで、すで此時このとき數十すうじふ獅子しゝ