トップ
>
打撞
>
ぶつか
ふりがな文庫
“
打撞
(
ぶつか
)” の例文
小箪笥
(
こだんす
)
の上に飾つた箱の中の京人形は、蠅が一斉にばら/\と
打撞
(
ぶつか
)
るごとに、
硝子越
(
がらすごし
)
ながら、其の鈴のやうな美しい目を
塞
(
ふさ
)
いだ。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぼんやりうつむいている多津吉を
打撞
(
ぶつか
)
ったように見ると、眉はきりりとしたが優しい目を、驚いた
様
(
さま
)
に
睜
(
みは
)
りながら、
後退
(
あとじさ
)
りになって隠れたが。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お千さんの一枚
撮
(
つま
)
んだ煎餅を、見ないように、ちょっと
傍
(
わき
)
へかわした宗吉の顔に、横から
打撞
(
ぶつか
)
ったのは小皿の平四郎。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この旅館が、
秋葉山
(
あきばさん
)
三尺坊が、
飯綱
(
いいづな
)
権現へ、客を、たちものにしたところへ
打撞
(
ぶつか
)
ったのであろう、泣くより笑いだ。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何事
(
なにごと
)
も、しかし、
其
(
そ
)
の
的
(
まと
)
に
打撞
(
ぶつか
)
るまでには、
弓
(
ゆみ
)
と
云
(
い
)
へども
道中
(
だうちう
)
がある。
醉
(
よ
)
つて
言
(
い
)
ふのではないけれども、ひよろ/\
矢
(
や
)
の
夜汽車
(
よぎしや
)
の
状
(
さま
)
から、
御一覽
(
ごいちらん
)
を
願
(
ねが
)
ふとしよう。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
箱の中に飾っておきます
骸骨
(
がいこつ
)
に、ぴったり
打撞
(
ぶつか
)
ったんでございますとさ、
厭
(
いや
)
ではござんせんかねえ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
聾
(
つんぼ
)
の
僻
(
ひが
)
みで、昨日悩まされた、はじめの
足疾
(
あしばや
)
な女に対するむか腹立も、かれこれ
一斉
(
いっとき
)
に
打撞
(
ぶつか
)
って、何を……天気は悪し、名所の見どころもないのだから、とっとっ、すたすた
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道理こそ、人の目と、その
嘴
(
はし
)
と
打撞
(
ぶつか
)
りそうなのに驚きもしない、と見るうちに、
蹈
(
ふま
)
えて
留
(
とま
)
った小さな脚がひょいと片脚、幾度も下へ離れて
辷
(
すべ
)
りかかると、その時はビクリと
居直
(
いなお
)
る。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とそつ
気
(
け
)
はないが、
日焼
(
ひや
)
けのした
毛
(
け
)
だらけの
胸
(
むね
)
へ、ドンと
打撞
(
ぶつか
)
りさうに
受
(
う
)
け
容
(
い
)
れらるる、
保勝会
(
ほしようくわい
)
の
小笠原氏
(
をがさはらし
)
の——八
月
(
ぐわつ
)
四
日
(
か
)
午後
(
ごご
)
三
時
(
じ
)
、
古間木
(
こまき
)
で
会
(
あ
)
うてより、
自動車
(
じどうしや
)
に
揺
(
ゆ
)
られ、
舟
(
ふね
)
に
揉
(
も
)
まれ
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まさか、そんな事はあるまいが、ただそこへ考えが
打撞
(
ぶつか
)
っただけなんだよ。……
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まだ
大
(
おおき
)
な箱火鉢が出ていた……そこで、ハタと
打撞
(
ぶつか
)
ったその縮緬の炎から、急に瞳を
傍
(
わき
)
へ
外
(
そ
)
らして、横ざまにプラットフォームへ出ようとすると、戸口の柱に、ポンと出た、も一つ赤いもの。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
結婚はいつだ、とその後、矢野に
打撞
(
ぶつか
)
れば、「息子は世間を知らないよ、紳士、淑女の一生の婚礼だ、引きつけで
対妓
(
あいかた
)
が
極
(
きま
)
るように、そう手軽に行くものか、ははは。」と
笑
(
わらい
)
の、何だか
空虚
(
うつろ
)
さ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まったくかも知れません、何しろ、この誓文払の前後に、何千
条
(
すじ
)
ですかね、黒焼屋の
瓶
(
かめ
)
が
空虚
(
から
)
になった事があるって言いますから。慾は
可恐
(
おそろ
)
しい。悪くすると、ぶら提げてるのに
打撞
(
ぶつか
)
らないとも限りませんよ。」
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幼いものが、生意気に
直接
(
じか
)
に
打撞
(
ぶつか
)
る事がある。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「私が持ちましょう、
磴
(
いしだん
)
に
打撞
(
ぶつか
)
りますわ。」
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
撞
漢検準1級
部首:⼿
15画
“打”で始まる語句
打
打擲
打棄
打捨
打殺
打倒
打明
打付
打笑
打毀