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打向
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うちむか
ふりがな文庫
“
打向
(
うちむか
)” の例文
と
呟
(
つぶや
)
いて
一
(
ひと
)
ツ
溜息
(
ためいき
)
する。……
橋詰
(
はしづめ
)
から
打向
(
うちむか
)
ふ
眞直
(
まつすぐ
)
な
前途
(
ゆくて
)
は、
土塀
(
どべい
)
の
續
(
つゞ
)
いた
場末
(
ばすゑ
)
の
屋敷町
(
やしきまち
)
で、
門
(
かど
)
の
軒
(
のき
)
もまばらだけれども、
其
(
それ
)
でも
兩側
(
りやうがは
)
は
家續
(
いへつゞ
)
き……
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
も
繼
(
つが
)
ず歩行續けし事なれば友次郎は夜前の
始末
(
しまつ
)
を話すべき
隙
(
ひま
)
なかりしが最早惡者の追ひ來るべき心
遣
(
づか
)
ひなしとてお花は友次郎に
打向
(
うちむか
)
ひ昨日大野とやら云
建場
(
たてば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
斯
(
かく
)
も不規則なる
所夫
(
おっと
)
に仕え細君が
能
(
よ
)
く苦情を
鳴
(
なら
)
さぬと思えば余は益々
訝
(
いぶか
)
しさに
堪
(
た
)
えず、
終
(
つい
)
に帳番に
打向
(
うちむか
)
いて
打附
(
うちつけ
)
に問いたる所、目科の名前が余の口より離れ切るや切らぬうち帳番は
怫然
(
ふつぜん
)
と色を
作
(
な
)
し
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
親仁
(
おやじ
)
はのそりと
向直
(
むきなお
)
って、
皺
(
しわ
)
だらけの顔に一杯の日当り、桃の花に影がさしたその色に対して、
打向
(
うちむか
)
うその
方
(
ほう
)
の屋根の
甍
(
いらか
)
は、白昼
青麦
(
あおむぎ
)
を
烘
(
あぶ
)
る空に高い。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
害
(
がい
)
せし土地へは歸り難しと
推
(
すゐ
)
して斯は言しなるべし忠相ぬし又も忠兵衞に
打向
(
うちむか
)
ひ此度は
珍事
(
ちんじ
)
忽地
(
たちまち
)
にして斯善惡を分ちし事一は
糊賣
(
のりうり
)
お金が
親切
(
しんせつ
)
と
丁稚
(
でつち
)
和吉の忠義に
依
(
よれ
)
ば和吉は此まゝ引連歸りて目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
廻廊の縁の角あたり、雲低き柳の
帳
(
とばり
)
に立って、
朧
(
おぼろ
)
に神々しい姿の、翁の声に、つと
打向
(
うちむか
)
いたまえるは、
細面
(
ほそおもて
)
ただ白玉の鼻筋通り、水晶を刻んで、威のある
眦
(
まなじり
)
。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
偖
(
さて
)
祝儀
(
しうぎ
)
も
濟
(
す
)
みて與惣次と傳吉お專
而已
(
のみ
)
なればお專傳吉に
打向
(
うちむか
)
ひお早どのは私しが
養母
(
やうぼ
)
にてお梅どのは私しの
姉
(
あね
)
なり
豫
(
かね
)
てお
咄
(
はな
)
し申せし如く私十二歳の時に病氣の
父
(
ちゝ
)
を
捨
(
すて
)
て
家財
(
かざい
)
殘
(
のこ
)
らず
掻
(
かき
)
さらひお梅どのを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
されども渠は
聊
(
いささか
)
も心に
疚
(
や
)
ましきことなかりけむ、
胸苦
(
むねぐる
)
しき
気振
(
けぶり
)
もなく、静に海野に
打向
(
うちむか
)
ひて
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“打”で始まる語句
打
打擲
打棄
打捨
打殺
打倒
打明
打付
打笑
打毀