“うちむか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
打向85.7%
打對14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かくも不規則なる所夫おっとに仕え細君がく苦情をならさぬと思えば余は益々いぶかしさにえず、ついに帳番に打向うちむかいて打附うちつけに問いたる所、目科の名前が余の口より離れ切るや切らぬうち帳番は怫然ふつぜんと色を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
親仁おやじはのそりと向直むきなおって、しわだらけの顔に一杯の日当り、桃の花に影がさしたその色に対して、打向うちむかうそのほうの屋根のいらかは、白昼青麦あおむぎあぶる空に高い。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
扨も忠八は馬喰町なる旅宿りよしゆくかへりてお花夫婦に打對うちむかひ今日向島の渡舟わたしにて斯々かく/\の事ありしと告げれば夫婦は悦ぶ事大方ならず只行方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
水戸中納言綱條卿は越前守に打對うちむかひ給ひ其方死人の體にて不淨門ふじやうもんより出たりとの事なれば歸宅むづかしからんとの御意ぎよいに越前守平伏して御意の通御役宅を出候には番人ばんにん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見て大いにわらひ二人の手下に打對うちむかひ役にも立ぬ無駄骨折むだぼねをりさてはたらうすい奴等と云はれて二人は大いにおそ無益むえきの殺生致せしと天窓あたまき/\閉口へいこうしたる其有樣ぞ見苦みぐるしき次郎はかさねて申樣此樣な仕事しごと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)