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てひど
ふりがな文庫
“
手酷
(
てひど
)” の例文
此
(
こ
)
の一
歩
(
ぶ
)
に
身
(
み
)
のかはを
剥
(
は
)
がれたために
可惜
(
をし
)
や、お
春
(
はる
)
と
云
(
い
)
ふ
其
(
そ
)
の
娘
(
むすめ
)
は
繼母
(
まゝはゝ
)
のために
手酷
(
てひど
)
き
折檻
(
せつかん
)
を
受
(
う
)
けて、
身投
(
みな
)
げをしたが、
其
(
それ
)
も
後
(
のち
)
の
事
(
こと
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それについて内部の事情を知らない「世間」から氏はかなり
手酷
(
てひど
)
い攻撃を受けたが、私達は氏の如き感情に
饒
(
ゆた
)
かな、理智に明るい人が
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ところが意外にも、それは貴女に
依
(
よ
)
って
手酷
(
てひど
)
い、少しの同情もない、拒絶にあってしまったのでした。私は、大変な思違いをしたと思いました。
ある恋の話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それにも
懲
(
こ
)
りず衆を語らって、ゆうべも、小次郎を待ちぶせ、かえって
手酷
(
てひど
)
い目に遭って、約十名のうち生きて還ったのは幾人もない様子なのである。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしこの男の前経歴から洗い立ててきますれば……動物学を専攻していたこの男が犬商になったことから推測しますれば……また
手酷
(
てひど
)
い失恋の苦しみが
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
「しかし、よっぽど
手酷
(
てひど
)
く暴れたんだな。あの
好色
(
すけべえ
)
野郎が、こんなにまで
手古摺
(
てこず
)
ったところを見ると……」
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
見世物小屋の
掟
(
おきて
)
で、あんなことをしてブチ壊しをやった芸人は、見世物師の背後についている
破落戸
(
ならずもの
)
が寄ってたかって
手酷
(
てひど
)
い制裁を加えて追い出すのであったが
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「あんなふうに気取ってるのはあたし大きらい。」とファヴォリットはかなり
手酷
(
てひど
)
くつぶやいた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
おせいと同棲したために、富岡は、清吉から、
手酷
(
てひど
)
い
復讐
(
ふくしう
)
を受けた気がした。伊香保を去つて以来、富岡の頭からは、清吉の存在は、幻のやうに消えてしまつてゐたのだ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
「余り蒲田が
手酷
(
てひど
)
い事を為るから、僕も、さあ、それを案じて、
惴々
(
はらはら
)
してゐたぢやないか。嘉納流も可いけれど、
後前
(
あとさき
)
を考へて遣つてくれなくては
他迷惑
(
はためいわく
)
だらうぢやないか」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
太子のあの気性で
手酷
(
てひど
)
く
撥
(
は
)
ね付けて、もしこれ以上の圧迫でも太子の身に加わるようなことがあってはと、二人ともそれをひどく案じ切っているのであった。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
顔容
(
かおかたち
)
に似ぬその志の堅固さよ。ただお
伽
(
とぎ
)
めいた事のみ語って、自からその
愚
(
おろか
)
さを恥じて、客僧、御身にも話すまいが、や、この方実は、もそっと
手酷
(
てひど
)
い
試
(
こころみ
)
をやった。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人を斬ったり
放火
(
つけび
)
をしたり。嫌な気持やオカシナ
所業
(
しわざ
)
を。あたり八方ひろげてサラゲル。人の姿の犬畜生だよ。人間扱いするには及ばぬ。ドンナ
手酷
(
てひど
)
い仕置きをするとも。石や
瓦
(
かわら
)
の投げ撃ちしても。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
昨日
(
きのう
)
の栄華に引替えて娘は明暮不幸を
喞
(
かこ
)
ち、我も
手酷
(
てひど
)
く
追使
(
おいつか
)
わるる、労苦を忍びて末々を
楽
(
たのし
)
み、たまたま下枝と
媾曳
(
あいびき
)
してわずかに慰め合いつ、果は二人の中をもせきて
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
こ
)
の
一歩
(
いちぶ
)
に、
身
(
み
)
のかはを
剥
(
む
)
かれたために、
最惜
(
いとし
)
や、お
秋
(
あき
)
は
繼母
(
まゝはゝ
)
には
手酷
(
てひど
)
き
折檻
(
せつかん
)
を
受
(
う
)
ける、
垣根
(
かきね
)
の
外
(
そと
)
の
樹
(
き
)
の
下
(
した
)
で、
晝中
(
ひるなか
)
に
帶
(
おび
)
を
解
(
と
)
いたわ、と
村中
(
むらぢう
)
の
是沙汰
(
これざた
)
は、
若
(
わか
)
い
女
(
をんな
)
の
堪忍
(
たへしの
)
ばれる
恥
(
はぢ
)
ではない。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
酷
常用漢字
中学
部首:⾣
14画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭