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あふ
面白く
発りし一座も
忽ち
白けて、
頻に
燻らす
巻莨の煙の、
急駛せる車の
逆風に
扇らるるが、飛雲の如く窓を
逸れて
六郷川を
掠むあるのみ。
後羽を動かして、哀れむ者はその魂
慰の女主となるがゆゑに福なることを告げつつ我等を
扇げり 四九—五一
『でも、
可愛い
犬ころだッたわね!』
息まうとして
毛莨に
凭り
掛つた
時に、
其葉の一
枚を
取つて
扇ぎながら
愛ちやんが
云ひました、『
私が
若しそんな
事をする
年頃ならば、 ...
いえもう
何でございます、
実は
此先一
町行け、
然うすれば
上段の
室に
寝かして一
晩扇いで
居て
其で
功徳のためにする
家があると
承りましても、
全くの
処一
足も
歩行けますのではございません
三八夏は
蚊帳の代りにせし身を
腰元共に
床を
扇がせ、女房は又
姑にあたへし
乳房を
虎屋が
羊羹にしかへ、氷から
鯉も古めかしと、水晶の
水舟に朝鮮金魚を泳がせて楽しみ、
是至孝のいたす所なり。
席より席と花の中にくだる時、かれらは脇を
扇ぎて得たりし平和と熱とを傳へたり 一六—一八