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御諚
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ごじょう
ふりがな文庫
“
御諚
(
ごじょう
)” の例文
「そうです。
御諚
(
ごじょう
)
至極ごもっともに存じます。早速、質子を入れよとのご一書を、お
遣
(
つか
)
わし下されば、必ず送って参りましょう」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これ、これ、永居は平太夫の迷惑じゃ。すぐさま縄目を許してつかわすがよい。」と、
難有
(
ありがた
)
い
御諚
(
ごじょう
)
がございました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「はっ。心得まして厶ります。
御諚
(
ごじょう
)
伝えましたらいずれも
感泣
(
かんきゅう
)
致しますることで厶りましょう。取替えまする間、おろうそくを持ちまするで厶ります」
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
只今にも伏見より検使あらば自害すべし、亡からん跡は誰をか頼み申すべきと云いもあえず、ふたゝび涙を流したので、上人承り、
御諚
(
ごじょう
)
にて候えども
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
其亡き骸は、大和の国を守らせよ、と言う
御諚
(
ごじょう
)
で、此山の上、河内から来る当麻路の脇にお
埋
(
い
)
けになりました。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
もっとも家事不取締で罰せられたり、
御諚
(
ごじょう
)
百箇条的思想で人を律されては、少しぐらい手加減をして頂かなければ、人民どものほうがかなわないわけである。
江戸の昔を偲ぶ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
如水は敬々しく辞退して、
忝
(
かたじけな
)
い
御諚
(
ごじょう
)
ですが、すでに年老ひ又生来の多病でこの先の御役に立たない私です。
二流の人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
……とはいえ
御諚
(
ごじょう
)
を拒んだら、今後お出入りは出来ないだろう。おれにとってはこれも苦痛だ。紀州家の後ろ楯があればこそ、世間でもおれを信用してくれる。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「殿様よりの
御諚
(
ごじょう
)
で御座ります。尾藤様は
最早
(
もはや
)
、御退出になりましたか見て参れとの御諚で……」
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
わがやんごとなき父君、国王様には、只今、
長
(
なが
)
の旅路におわせど、そなた達を饗宴に
招
(
しょう
)
ぜよと、
妾
(
わらわ
)
に
御諚
(
ごじょう
)
下されしぞ。何じゃ、楽士共か。
六絃琴
(
ヴァイオル
)
、また
低音喇叭
(
バッスウン
)
を奏でてたもれ。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
「さ候えば、即刻、みかどをお迎えし奉ッて、かねがねの
手筈
(
てはず
)
にたがわず、山陰の宮方をこぞり集められよ。——
御諚
(
ごじょう
)
、以上のとおりであるが」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御意見代りにお膝汚し奉ったこの主水之介が不埓か、黒白は上のお目次第、もし万一、主水之介に不埓ありとの
御諚
(
ごじょう
)
ならば、切腹、お手討、ゆめいといませぬ。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「いちめいを許して取りたてゝつかわそう」という
御諚
(
ごじょう
)
でござりましたけれども、「このうえはなんの望みもござりませぬ」と申されてひたすらおいとまをねがわれました。
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
綸旨
(
りんじ
)
を降しおかれ、隣境の乱あらば討つべし、皇土をみだし、民を苦しめるの暴国あらば
赴
(
おもむ
)
いて平定せよと、不才謙信に身にあまる
御諚
(
ごじょう
)
であった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
向けたわたくし、このままお手討になりましょうとも、お力添えとは少しく異な
御諚
(
ごじょう
)
ではござりませぬか
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
とのさまのおん姉末森殿ならびに御息女をおつれ申してたちのくようにとの
御諚
(
ごじょう
)
がござりまして、余人に仰せつけくださりませと申されましても、いや/\、これはその方にたのむ
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
あのような
御諚
(
ごじょう
)
ではあっても、
御心
(
みこころ
)
のうちでは、
其許
(
そこ
)
の御真情を、おうれしく
思
(
おぼ
)
しめされていたにちがいありませぬ
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
主命との
御諚
(
ごじょう
)
で
厶
(
ござ
)
りますれば致し方厶りませぬ。千之介がけわしく叱ったのも無理からぬこと、実は波野と二人してこの怪談を
先達
(
せんだつ
)
てある者から聞いたので厶ります。
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
さてあるだけの名酒の樽をのこらず持ってまいれとの
御諚
(
ごじょう
)
でござりました。
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ご当主には、だいぶお長い御病気、どんなか、よう見舞うてこいとの
御諚
(
ごじょう
)
でおざる。さしつかえなくば、ご病間でもいい、親しゅうお顔を拝したいが」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「下郎共が無礼仕ったゆえ、直参旗本早乙女主水之介、松平の御前の
御諚
(
ごじょう
)
によって、とくと、承わりたい一儀がござる。島津殿、お墨付にござるぞ。乗物棄てさっしゃい」
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
御諚
(
ごじょう
)
ではござりますけれども、戦と云うものは時の運でござりますから、人数の多い少いには拘りませぬ、しかしそれでも勝ち目がないと思し召すなら、某一人にお任せなされて下さりませ
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「すべては
御諚
(
ごじょう
)
です。われらは、みかどの上命のままあなたをここに捕縛したまでのこと。さッ、お歩きなさい」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はッ。御帰館との
御諚
(
ごじょう
)
ならば立ち帰りまするでござりますが、釣れぬのは——」
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
いかさま
御諚
(
ごじょう
)
に従いましょうと、清六は直ぐに越前へ下った。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
行家
(
ゆきいえ
)
追討の
御諚
(
ごじょう
)
については、耳もかされず、
疾
(
と
)
く帰れとの御一言あったのみ、取りつく島もなく立戻りました
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ふ、ふ、古道具でござります。只今お
主侯様
(
とのさま
)
から、もう不用じゃ、払い下げいとの
御諚
(
ごじょう
)
がござりましたゆえ、出入りの古道具屋へ売払いに参るところでござります。
御退
(
おの
)
き下されませい」
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「ただいまの
御諚
(
ごじょう
)
は口惜しいことにござります。多年御恩顧の
輩
(
ともがら
)
を、左様に
心許
(
こころもと
)
なき者と思し召されてか」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
御諚
(
ごじょう
)
よく分りかねまする。不意にまた何を
仰
(
おお
)
せられまするので厶ります」
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
妻子をのこせとの
御諚
(
ごじょう
)
ではあったが、あの高時公、ふとお忘れか、母をも質とするとは仰せられなんだ。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思いもよらぬ
御諚
(
ごじょう
)
です。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
しかし、そこも
龍淵
(
りゅうえん
)
のごとく
溟
(
めい
)
としていた。しばしは何の
御諚
(
ごじょう
)
もなかった。そしてただあの大きなおん目を
凝
(
こ
)
らして、じっと正成を見ていらっしゃるのみである。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これにはまた、みかども常々お悩みらしくあって、近ごろはとみに自分への寵幸も
衰
(
おとろ
)
えぎみとなっていた折……はしなくも「義貞へ
嫁
(
ゆ
)
け」との
御諚
(
ごじょう
)
であったという。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本来、辰の口より今日すぐに、安房どののお邸の方へ戻るべきなれど、この度のこと、お取止めの
御諚
(
ごじょう
)
あるからには、武蔵の身に、将軍家御不審あればこそである。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
王定の請願を奏上すれば「——よきにしておけ。枢密院の衆議にまかせる」というのみの
御諚
(
ごじょう
)
だけだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
臣下の
正行
(
まさつら
)
へ、汝を
股肱
(
ここう
)
とたのむぞと
御諚
(
ごじょう
)
あそばされたことは、まこと正行のほまれ、亡き父君にも、御満足に在すらめとはふと思うたが、深く思えば、この御国に
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みかどから「俊基、琵琶せよ」との
御諚
(
ごじょう
)
に、他の人々も「それなん聞きもの。そのうえ小右京ノ君に、琴を
合奏
(
あわ
)
させなば、なお、おもしろからんに」と、言い
囃
(
はや
)
した。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いえ、
御来屋
(
みくりや
)
の
浦
(
うら
)
からいくらの道でもない由です。したが、
御諚
(
ごじょう
)
はとつぜんな儀、事は何せい、ゆゆしきお迎えでもありますれば多少の遅滞は無理ならずとも思われまする」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なろうものなら、その手は、帝のおん
衣
(
ぞ
)
のすそにすがりついて、なお
一
(
ひ
)
ト
言
(
こと
)
の
御諚
(
ごじょう
)
をと、おせがみしたかったに違いあるまい。指のさきも、ひれ伏した
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
も、ふるえていた。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ちょっとわが城へ来て対面してはどうか——とありがたい
御諚
(
ごじょう
)
があったにもかかわらず、お母堂さまのお答えには、中国の
役
(
えき
)
すら、まだ半途と聞く、安土に来たのも、
公
(
おおやけ
)
の御用
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こは、思いがけぬ
御諚
(
ごじょう
)
にござりまする。人の沙汰やら存じませぬが、何で
将帥
(
しょうすい
)
のよりごのみなどいたしましょう。すべては、
御軍
(
みいくさ
)
の下、この正成もみかどの一兵でしかございませぬ」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さればです、主人信玄公の
御諚
(
ごじょう
)
には、このたびの御挑戦こそまことに遺憾至極。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、彼の姿を見そなわすや、なかなかなお元気で、こう
御諚
(
ごじょう
)
であった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
との有難い
御諚
(
ごじょう
)
に、初めて彼も
階
(
きざはし
)
を踏むことができたのであった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ありがたい、
勿体
(
もったい
)
ない、
御諚
(
ごじょう
)
ではござりませぬか」
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「げにも冥加にあまる
御諚
(
ごじょう
)
、
有無
(
うむ
)
なく、おうけ申しあげるべきでございましょうが、元々、さしたる力は持たず
能
(
のう
)
もなき正成。とてもおん頼みにこたえ奉るなどは、思いもおよびません。ひらに御辞退申しあげまする」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お目どおりはならんという
御諚
(
ごじょう
)
!」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思いきや、この
御諚
(
ごじょう
)
である。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
御諚
(
ごじょう
)
、身にすぎまする」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
御諚
(
ごじょう
)
、身に余ります」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“御諚”の意味
《名詞》
貴人のお言葉。
(出典:Wiktionary)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
諚
漢検1級
部首:⾔
15画
“御諚”で始まる語句
御諚書