幽靈ゆうれい)” の例文
新字:幽霊
以上いじやう概括がいくわつしてその特質とくしつげると、神佛しんぶつたうといもの、幽靈ゆうれいすごいもの、化物ばけもの可笑おかしなもの、精靈せいれうむしうつくしいもの、怪動物くわいどうぶつ面白おもしろいものとる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
なぜれをころさぬ、ころさぬか、れも三五らうたゞぬものか、幽靈ゆうれいになつても取殺とりころすぞ、おぼえて長吉ちようきちめと湯玉ゆだまのやうななみだをはら/\、はては大聲おほごゑにわつといだ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
二ではうたいの「善知鳥うとう」など、三では「阿漕あこぎ」、「鵜飼うがひ」などその適例てきれいである。幽靈ゆうれいがいして全體ぜんたい性質せいしつ陰氣いんきで、すごいものである。相貌さうぼうなども人間にんげん大差たいさはない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
あしられて幽靈ゆうれいならぬのすきよりいづこともなるまじとて今宵こよひ此處こゝとまこととなりぬ、雨戸あまどとざおと一しきりにぎはしく、のちにはきもる燈火ともしびのかげもえて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
化物ばけもの分類ぶんるゐうちだい二の幽靈ゆうれいは、しゆとして人間にんげん靈魂れいこんであつてこれ生靈いきれう死靈しれうの二つにける。きながらたましひかたちあらはすのが生靈いきれうで、源氏物語げんじものがたりあをひまきの六でう御息所みやすみどころ生靈いきれうごときはすなはそれである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)