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さしで
ふりがな文庫
“
差出
(
さしで
)” の例文
金も少しは入るだろうがそれも私がどうなりとして
埒
(
らち
)
を
明
(
あけ
)
ましょう、親類でも無い他人づらが
要
(
い
)
らぬ
差出
(
さしで
)
た才覚と思わるゝか知らぬが
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「いやまて、町に居る時こそ、其方の
手業
(
てわざ
)
に任せたが、山に入っては拙者の役目だ。
差出
(
さしで
)
がましいことは相成らぬぞ」
天保の飛行術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
月毛
(
つきげ
)
に
乘
(
の
)
つてゐた
女
(
をんな
)
も、こいつがあの
男
(
をとこ
)
を
殺
(
ころ
)
したとなれば、
何處
(
どこ
)
へどうしたかわかりません。
差出
(
さしで
)
がましうございますが、それも
御詮議
(
ごせんぎ
)
下
(
くだ
)
さいまし。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
石和で腹をこしらえた米友は、
差出
(
さしで
)
の磯や
日下部
(
くさかべ
)
を通って
塩山
(
えんざん
)
の
宿
(
しゅく
)
へ入った時分に、日が暮れかかりました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は素人探偵とは云い
条
(
じょう
)
、看板を出してそれで生活している
訳
(
わけ
)
ではないのだから、いやだと思えば、別に
差出
(
さしで
)
がましく警察の御手伝いをする義務もない訳だが
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
これをば、菊細工、菊人形と、今しがた
差出
(
さしで
)
て
名告
(
なの
)
りはしましたものの、……お話につけてもお恥かしい。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いろいろと
差出
(
さしで
)
がましいことを申しあげたため、かえって秀吉公のお
怒
(
いか
)
りをうけて、そくざに、ご陣屋を追いはらわれ、
南蛮寺
(
なんばんじ
)
の
番衛役
(
ばんえいやく
)
も
召
(
め
)
しあげられ、この後は、京都へ立ち入ることはならぬと
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この墓をすがしと
思
(
も
)
へば
差出
(
さしで
)
咲く向ひの墓の
百日紅
(
さるすべり
)
のはな
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「要らざる事に
差出
(
さしで
)
て後悔すな」
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
申
居
(
をり
)
只今にも惣内夫婦が出たなら
汝
(
われ
)
は何と申譯致んぞと申さるゝにお深は又進み出恐れながら女は
別人
(
べつじん
)
かは存ぜねども悴儀は
衣類
(
いるゐ
)
のみ
似
(
に
)
たるのみに是なく
帶
(
おび
)
脚絆
(
きやはん
)
迄相違御座らぬと左右強情に
言張
(
いひはる
)
に大岡殿大聲に又しても入ざる
差出
(
さしで
)
口
默止
(
だまれ
)
其日は九郎兵衞同道にて惣内夫婦
金谷
(
かなや
)
村の
法會
(
ほふゑ
)
の
席
(
せき
)
へ
參
(
まゐ
)
り歸りも同道なりしに九郎兵衞は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その月毛に乗っていた女も、こいつがあの男を殺したとなれば、どこへどうしたかわかりません。
差出
(
さしで
)
がましゅうございますが、それも
御詮議
(
ごせんぎ
)
下さいまし。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「しおの山とは
塩山
(
えんざん
)
のこと、
差出
(
さしで
)
の磯はわたしの故郷八幡村から
日下部
(
くさかべ
)
へかかる笛吹川の岸にありまする」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
差出
(
さしで
)
がましうござんすが、お座興にもと存じて、お客様の前ながら、申上げます、とお嬢様、
御口上
(
ごこうじょう
)
。——内に、
日本
(
にっぽん
)
と云ふ、
草毟
(
くさむしり
)
の若い人が
居
(
お
)
りませう……ふと思ひ着きました。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
幸い私は、その間の事情をよく知って居りますので、
差出
(
さしで
)
がましいとは存じましたが、皆様の疑惑を説き、志津子さんの
冤
(
えん
)
をそそぐために、最後の一言を添えさして頂き度いと存じます。
奇談クラブ〔戦後版〕:01 第四の場合
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この墓をすがしと
思
(
も
)
へば
差出
(
さしで
)
咲く向ひの墓の
百日紅
(
さるすべり
)
のはな
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
差出
(
さしで
)
がましうござんすが、お
座興
(
ざきよう
)
にもと
存
(
ぞん
)
じて、お
客樣
(
きやくさま
)
の
前
(
まへ
)
ながら、
申上
(
まをしあ
)
げます、とお
孃樣
(
ぢやうさま
)
、
御口上
(
ごこうじやう
)
。——
内
(
うち
)
に、
日本
(
につぽん
)
と
云
(
い
)
ふ、
草毟
(
くさむしり
)
の
若
(
わか
)
い
人
(
ひと
)
が
居
(
を
)
りませう……ふと
思
(
おも
)
ひ
着
(
つ
)
きました。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ただ願うところはあなた様のお慈悲、武士の情けにて勝負をお預かり置き下さらば
生々
(
しょうじょう
)
の御恩に存じまする。兄のため、宇津木一家のために、
差出
(
さしで
)
がましくも折入ってのお願いでござりまする
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
樅
(
もみ
)
の木の
差出
(
さしで
)
の枝の常盤葉のときをり篩ふ雪のかすけさ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
差出
(
さしで
)
の磯の
亀甲橋
(
きっこうばし
)
も水に流されて、
橋杭
(
はしぐい
)
だけが、まだ水に
堰
(
せ
)
かれているところへ来て、女はふと何物をか認めたらしく、あたりにあった竹の
小片
(
こぎれ
)
を取り上げて、岸の水をこちらへと掻き寄せました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
宇津木兵馬はその駕籠を守って、
差出
(
さしで
)
の
磯
(
いそ
)
にさしかかります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
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差出口
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