大風たいふう)” の例文
すずの(種々)御供養ごくやう送給畢おくりたびをはんぬ大風たいふうくさをなびかし、いかづちひとををどろかすやうに候。よのなかに、いかにいままで御信用候けるふしぎさよ。
六年には東北に螟虫めいちゆうが出来る。海嘯つなみがある。とう/\去年は五月から雨続きで、冬のやうに寒く、秋は大風たいふう大水たいすゐがあり、東北をはじめとして全国の不作になつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ずゐ沈光ちんくわうあざな總持そうぢ煬帝やうだいつかへて天下第一てんかだいいち驍捷はやわざ達人たつじんたり。ていはじめ禪定寺ぜんぢやうじ建立こんりふするときはたつるに竿さをたか十餘丈じふよぢやうしかるに大風たいふうたちまおこりてはた曳綱ひきづないたゞきよりれてちぬ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大風たいふう颯々さっさつたる、怒濤どとう澎湃ほうはいたる、飛瀑ひばく※々かくかくたる、あるいは洪水天にとうして邑里ゆうり蕩流とうりゅうし、あるいは両軍相接して弾丸雨注うちゅうし、艨艟もうどう相交りて水雷海をかすが如き、皆雄渾ならざるはなし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
横断旅行の首途かどでにこの理由わけの分らぬ血汐は不吉千万、軍陣の血祭という事はあるが、これは余り有難くない、それにこの大風たいふう! この大雨たいう! 万一の事があってはならぬから、明日の出発は四
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
ここの細君は今はもう暗雲を一掃いっそうされてしまって、そこは女だ、ただもう喜びと安心とを心配の代りに得て、大風たいふういた後の心持で、主客の間の茶盆ちゃぼんの位置をちょっと直しながら、軽くかしらを下げて
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私はきく 遠い地角のはてを吹く大風たいふうのひびきを。
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
大風たいふうの黒き喇叭のいと微かなる音をだに逸せず。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
おう/\とこゑをかけつてわづか人種ひとだねきぬのをるばかり、八を八百ねんあめなかこもると九日目こゝのかめ真夜中まよなかから大風たいふう吹出ふきだしてそのかぜいきほひこゝがたうげといふところたちま泥海どろうみ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私はきく 遠い地角のはてを吹く大風たいふうのひびきを
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
むしろ、われは大風たいふうの中を濶歩して
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
大風たいふう擦子おろし、極寒の萬力まんりき
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)