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壻
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むこ
ふりがな文庫
“
壻
(
むこ
)” の例文
抽斎の高祖父輔之は男子がなくて歿したので、十歳になる
女
(
むすめ
)
登勢に
壻
(
むこ
)
を取ったのが為隣である。為隣は登勢の人と成らぬうちに歿した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此
神
(
かみ
)
の氏子、堀の内にて
娶
(
よめ
)
をむかへ又は
壻
(
むこ
)
をとりたるにも、
神勅
(
しんちよく
)
とて
壻
(
むこ
)
に水を
賜
(
たまは
)
る、これを
花水祝
(
はなみづいは
)
ひといふ。毎年正月十五日の
神㕝
(
じんじ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ほんとうにこんな目出たい事には、もう二度とは
遇
(
あ
)
えませんね。ただ私は娘や
壻
(
むこ
)
の、苦しそうな嘘を聞いているのが、それはそれは苦労でしたよ。
奇遇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
壻
(
むこ
)
は卑しき農夫なりき。
婦
(
よめ
)
は貧しき家の子ながら、美しき
少女
(
をとめ
)
なりき。侯爵の殿は婚禮の
筵
(
むしろ
)
にて新婦が踊の相手となり、宵の間にしばし花園に出でよと誘ひ給へり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
あるいは又松尾の部落の山畑に、
壻
(
むこ
)
と二人で
畑打
(
はたうち
)
をしていた一老翁は、不意に前方のヒシ(崖)の上に、見事なお
曼陀羅
(
まんだら
)
の懸かったのを見て、「やれ有難や松※尾の薬師」と叫んだ。
幻覚の実験
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
大伴の家のは、表向き
壻
(
むこ
)
どりさえして居ねば、子があっても、斎き姫は勤まる、と言う定めであった。今の
阪上郎女
(
さかのうえのいらつめ
)
は、二人の
女子
(
おみなご
)
を持って、やはり斎き姫である。此は、うっかり出来ない。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
壻
(
むこ
)
を置き去りにして情夫の後を追いかけて来たのだということでした。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
が、そうやって世の中から殆ど隔絶しているうちに、その中務大輔のところでは暮らし向きの悪くなってゆく一方であることは、毎日女のもとに通って来る
壻
(
むこ
)
にも漸くはっきりと分かるようになった。
曠野
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
笛ひびき花の
輿
(
こし
)
ゆく
後
(
あと
)
の馬車
中折
(
なかをれ
)
を著る三尺の
壻
(
むこ
)
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
月に親しく天帝の
壻
(
むこ
)
になりたしな
才丸
(
さいまろ
)
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
○
按
(
あんず
)
るに、
壻
(
むこ
)
に水を
灌
(
そゝ
)
ぐ事は、男の
阳火
(
やうくわ
)
に女の
阴
(
いん
)
の水をあぶせて子をあらしむるの
咒事
(
まじなひ
)
にて、
妻
(
つま
)
の火を
留
(
とむ
)
るといふ
祝事
(
しゆくじ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お母様の仰ゃるには、おお方そんな事を言うのは、男女同権とかいう話と同じ筋の話だろう。昔から町家の娘には、見合で
壻
(
むこ
)
をことわるということがあった。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
公子はわが昔の恩人の
壻
(
むこ
)
にして、フランチエスカの君の夫なり。我を以て不義の人となし、我に
訣絶
(
けつぜつ
)
の書を贈れる人の
族
(
うから
)
なり。公子。こゝにて逢はんとは思ひ掛けざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
しかし
娘
(
むすめ
)
はどうなりましたやら、
壻
(
むこ
)
の
事
(
こと
)
はあきらめましても、これだけは
心配
(
しんぱい
)
でなりません。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
水
取
(
とり
)
とて
壻
(
むこ
)
に水をあぶする者二人、
副取
(
そへとり
)
といふもの二人、おの/\たすきひきゆひりゝしげにいでたつ。むこはゆかた細帯にてをどりのきたるをまつ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ついで謙助も昌平黌出役になったので、藩の名跡は安政四年に中村が須磨子に生ませた長女糸に、高橋
圭三郎
(
けいざぶろう
)
という
壻
(
むこ
)
を取って立てた。しかしこの夫婦は早く亡くなった。
安井夫人
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
しかし娘はどうなりましたやら、
壻
(
むこ
)
の事はあきらめましても、これだけは心配でなりません。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし妙なことには、その家にお兄いさんというのがいて、余程お人好と見えて、お麗さんに家来のように使われている。それが実は
壻
(
むこ
)
養子に来たものだということである。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
かたがたお住は四十九日でもすんだら、お民に
壻
(
むこ
)
を当がつた上、倅のゐた時と同じやうに働いて貰はうと思つてゐた。壻には仁太郎の
従弟
(
いとこ
)
に当る与吉を貰へばとも思つてゐた。
一塊の土
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
吾が
同郡
(
どうぐん
)
岡
(
をか
)
の
町
(
まち
)
の
旧家
(
きうか
)
村山藤左ヱ門は
余
(
よ
)
が
壻
(
むこ
)
の兄なり。此家に先代より
秘蔵
(
ひさう
)
する亀の
化石
(
くわせき
)
あり、
伝
(
つたへ
)
ていふ、
近
(
ちか
)
き
山間
(
さんかん
)
の土中より
掘得
(
ほりえし
)
といふ、
実
(
じつ
)
に化石の
奇品
(
きひん
)
なり、
茲
(
こゝ
)
に
図
(
づ
)
を
挙
(
あげ
)
て
弄石家
(
ろうせきか
)
の
鑒
(
かん
)
を
俟
(
まつ
)
。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こんな論をする事なら、同じ論法で何もかも性欲の発揮にしてしまうことが出来よう。宗教などは性欲として説明することが最も容易である。
基督
(
キリスト
)
を
壻
(
むこ
)
だというのは普通である。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
壻
(
むこ
)
ばかりか、
娘
(
むすめ
)
までも、………(
跡
(
あと
)
は
泣
(
な
)
き
入
(
い
)
りて
言葉
(
ことば
)
なし。)
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
支配人某が世話をして、小谷村原文平の二男辰之助を迎へて、長女すみの
壻
(
むこ
)
にした。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
前に悪い
壻
(
むこ
)
を取って騙された時なんぞは、近所の人に
面目
(
めんぼく
)
ないとは思っても、親子共胸の底には
曲
(
きょく
)
彼
(
かれ
)
に在りと云う心持があったので、互に話をし合うには、少しも遠慮はしなかった。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此
(
この
)
壻
(
むこ
)
は或は眞志屋の一族長島氏の人であつたのではなからうか。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
壻
部首:⼠
12画
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女壻
壻候補
壻入
壻君
入壻
壻殿
壻養子
妹壻
婦壻
御壻